Claude Code × MCP 実践入門
外部ツール連携を 1 コマンドで実現する
GitHub・Obsidian・データベースを Claude Code に繋ぎ、日常の開発タスクを自動化する方法をゼロから解説します
対象読者: Claude Code を使い始め「外部ツールと連携させたい」と感じている開発者・エンジニア。MCP の概念から実際の設定コマンド・セキュリティ上の注意点まで、実務で使える形でまとめます。
MCP とは何か
MCP(Model Context Protocol)は、Anthropic が 2024年11月にオープンソース標準として公開したプロトコルです。AI モデル(LLM)と外部ツール・データソース・API の連携方式を統一することを目的としています。
開発言語サーバー向けの LSP(Language Server Protocol)が「どのエディタからでも同じ言語サーバーを使える」ようにしたのと同じ発想で、「どの AI エージェントからでも同じ MCP サーバーを使える」 ようにした規格が MCP です。
MCP クライアント
Claude Code・Claude Desktop など AI 側
MCP プロトコル
JSON-RPC 2.0 ベースの標準規格
MCP サーバー
GitHub・DB・Obsidian など外部ツール側
2026年3月時点で月間 9,700万ダウンロードを突破。Anthropic だけでなく OpenAI・Google・Microsoft なども対応済みで、AI エージェントの連携標準として業界全体に定着しています。
Claude Desktop との違い: よく混同されますが、Claude Desktop アプリの設定ファイル(claude_desktop_config.json)と Claude Code CLI の MCP 設定は別物です。この記事では Claude Code(ターミナル)向けの設定を扱います。
Claude Code での MCP 設定:3 つのスコープ
Claude Code の MCP 設定にはスコープという概念があり、サーバーを「誰が・どこで使えるか」が変わります。
| スコープ | 有効範囲 | チーム共有 | 保存先 |
|---|---|---|---|
| local(デフォルト) | 現在のプロジェクトのみ | なし | ~/.claude.json |
| project | 現在のプロジェクトのみ | あり(git 経由) | .mcp.json(プロジェクトルート) |
| user | 自分の全プロジェクト | なし | ~/.claude.json |
迷ったらまず local(デフォルト)で試し、チームで共有したい場合に project へ移行するのが定番の流れです。
基本コマンド:claude mcp add
MCP サーバーの追加は claude mcp add コマンドで行います。トランスポート(接続方式)によって構文が少し異なります。
HTTP サーバー(クラウドサービス向け・推奨)
# 基本形:HTTP サーバーを追加
claude mcp add --transport http <名前> <URL>
# スコープを指定する場合(project = .mcp.json に書き出してチームで共有)
claude mcp add --transport http --scope project <名前> <URL>
# Bearer トークン付きで追加
claude mcp add --transport http api-server https://api.example.com/mcp \
--header "Authorization: Bearer YOUR_TOKEN"
stdio サーバー(ローカルプロセス向け)
# ローカルで npx/uvx を起動するタイプ(-- でコマンドと引数を区切る)
claude mcp add <名前> -- npx -y @some/mcp-server
# 環境変数を渡す場合
claude mcp add brave-search \
--env BRAVE_API_KEY=YOUR_KEY \
-- npx -y @modelcontextprotocol/server-brave-search
管理コマンド早見表
claude mcp list # 設定済みサーバー一覧
claude mcp get github # 特定サーバーの詳細確認
claude mcp remove github # サーバー削除
# Claude Code セッション内でサーバー状態確認・OAuth 認証
/mcp
実践:代表的な MCP サーバー 4 選
GitHub MCP — PR・Issue 管理を自然言語で
公式提供:GitHub Inc. / OAuth またはPAT認証
Claude Code から GitHub の PR 作成・レビュー・Issue 管理をそのまま実行できます。コード修正後に「PR を作って」と一言伝えるだけで、差分の説明文付きでプルリクエストが完成します。
# STEP 1: サーバーを追加
claude mcp add --transport http github https://api.githubcopilot.com/mcp/
# STEP 2: Claude Code 内で OAuth 認証(ブラウザが開く)
/mcp
# PAT(Personal Access Token)を使う場合
claude mcp add-json github \
'{"type":"http","url":"https://api.githubcopilot.com/mcp","headers":{"Authorization":"Bearer YOUR_GITHUB_PAT"}}'
できること:
PR #456 をレビューして改善点を教えて
今見つけたバグを Issue として作成して
JIRA チケット ENG-4521 の内容を実装して GitHub に PR を作って
Filesystem MCP — プロジェクトをまたいだファイル操作
公式提供:MCP 公式リファレンス / ローカル(stdio)
通常の Claude Code は「現在のプロジェクトディレクトリ」しか見えません。Filesystem MCP を使うと、指定したディレクトリ配下のファイルにアクセス制御付きでアクセスできるようになります。別プロジェクトのユーティリティ関数を参照しながら開発したい場面に便利です。
# アクセスを許可するディレクトリを指定して追加
claude mcp add filesystem \
-- npx -y @modelcontextprotocol/server-filesystem ~/Documents ~/Projects
# 複数ディレクトリを指定する場合はスペース区切りで並べる
できること:
~/Documents/仕様書.md を読んで、それに合わせてコードを修正して
プロジェクトAの src/utils/ にあるヘルパー関数をこのプロジェクトに移植して
Obsidian MCP — Vault をナレッジベースとして活用
コミュニティ製(MarkusPfundstein)/ ローカルRESTAPI 経由
Obsidian の Vault を Claude Code の「外部記憶」として使う構成です。過去のプロジェクトメモ・設計ドキュメント・学習ノートを Claude に直接参照させられます。前回の「Obsidian × Claude Code」記事で紹介した活用法の実装がこれに当たります。
前提条件: Obsidian に Local REST API コミュニティプラグインを導入し、有効化してください。API キーはプラグインの設定画面から確認できます。
claude mcp add obsidian \
--env OBSIDIAN_API_KEY=YOUR_KEY \
--env OBSIDIAN_HOST=127.0.0.1 \
--env OBSIDIAN_PORT=27124 \
-- uvx mcp-obsidian
できること:
Brave Search MCP — リアルタイム Web 検索を付与
Brave 公式提供 / API キー必要(有料プラン)
Claude Code にリアルタイムの Web 検索能力を追加します。最新の API ドキュメント・エラーメッセージの解決策・ライブラリのバージョン情報を調べながらコーディングできます。
料金の注意: 2026年2月から Brave Search API の無制限無料枠は廃止されました。現在は月 $5 程度のクレジット(約 1,000 クエリ相当)から利用できます。
# Brave 公式パッケージ(推奨)
claude mcp add brave-search \
--env BRAVE_API_KEY=YOUR_KEY \
-- npx -y @brave/brave-search-mcp-server
その他の注目サーバー
mcp-server-git
Git リポジトリの操作(log・diff・blame・commit)を Claude から直接実行。
uvx mcp-server-git
server-postgres / mcp-server-sqlite
自然言語でデータベースを照会。スキーマ確認・集計クエリを会話形式で実行。
uvx mcp-server-sqlite --db-path /path/to/db
@playwright/mcp
ブラウザを操作・スクレイピング・E2E テスト。Claude がブラウザを直接操作できる。
npx @playwright/mcp@latest
server-memory
知識グラフベースの永続記憶。プロジェクトをまたいで Claude に「覚えさせたい」情報を管理。
npx -y @modelcontextprotocol/server-memory
チームで共有する:.mcp.json を git に入れる
スコープを project にすると、プロジェクトルートに .mcp.json が生成されます。このファイルを git にコミットすれば、チーム全員が同じ MCP サーバーセットを使えるようになります。
{
"mcpServers": {
"github": {
"type": "http",
"url": "https://api.githubcopilot.com/mcp",
"headers": {
"Authorization": "Bearer ${GITHUB_PAT}"
}
},
"db": {
"command": "uvx",
"args": ["mcp-server-sqlite", "--db-path", "./dev.db"]
}
}
}
${GITHUB_PAT} のように ${変数名} と書くと環境変数が展開されます。シークレットをファイルに直書きせずに済むため、そのまま git に追加しても安全です。
セキュリティの注意点
MCP サーバーは強力な反面、使い方を誤ると意図しない操作や情報漏洩につながることがあります。主なリスクと対策を把握しておきましょう。
① プロンプトインジェクション(間接的)
Issue 本文・Web ページ・ファイル内容など「外部から取得したコンテンツ」に悪意あるプロンプトが埋め込まれ、Claude が誤った操作をしてしまうリスク。Web フェッチ系・GitHub Issue 系のサーバーを使う際は特に注意が必要です。
② Tool Poisoning(ツール汚染)
MCP サーバーのツール説明文(description フィールド)に悪意あるプロンプトが埋め込まれ、ツールを発見した AI が感染する攻撃手法。ソースコードが非公開のサーバーは使用を避けましょう。
③ MCP Rug Pull
最初は正当に見えるサーバーが、普及後に悪意あるプロンプトを追加する攻撃。定期的に使用中サーバーのリポジトリを確認し、不審なコミットがないか確認する習慣が大切です。
安全なサーバーを選ぶ 4 つの基準:
- ソースコードが GitHub で公開されている
- 作者が信頼できる企業・個人(GitHub・Brave・Anthropic 公式など)
- ツールの説明文が自然で、不審な長文英語テキストが含まれていない
- API トークンは環境変数で渡し、最小権限のスコープで発行する
公式の注意書き: Anthropic のドキュメントには「サードパーティ MCP サーバーの使用は自己責任で。特に外部コンテンツを取得するサーバーはプロンプトインジェクションのリスクがあります」と明記されています。
MCP サーバーの探し方
数百以上の MCP サーバーが公開されています。主要なディレクトリサービスを使うと効率よく探せます。
registry.modelcontextprotocol.io
Anthropic 公式の MCP レジストリ。品質管理された信頼性の高いサーバーが登録されている。探し始めの第一歩として最適。
github.com/modelcontextprotocol/servers
MCP 公式リファレンス実装。filesystem・git・postgres・memory など基本サーバーが揃う。コードを読んで学習にも使える。
mcp.so
最も広いカバレッジを持つコミュニティディレクトリ。カテゴリ・スター数・インストール数でフィルタリングできる。
mcpservers.org
450 以上のサーバーを収録した検索サービス。用途別(DB・検索・ファイル・ブラウザ…)でカテゴリ検索しやすい。
まとめ
- MCP は AI と外部ツールの連携を統一した業界標準プロトコル。Claude Code では
claude mcp add1 コマンドで追加できる - スコープは local(個人・現プロジェクト)→ project(チーム共有・
.mcp.json)→ user(個人・全プロジェクト)の 3 種類 - まず試すべき定番サーバー:GitHub MCP(PR・Issue 管理)・Filesystem MCP(クロスプロジェクトアクセス)・Obsidian MCP(ナレッジベース連携)
- チームで共有するときは
--scope projectオプションで.mcp.jsonを生成し、git にコミット。環境変数${VAR}でシークレットを安全に管理 - セキュリティ上の注意点:ソースコード非公開のサーバーは避ける・API トークンは最小権限・外部コンテンツを扱うサーバーはプロンプトインジェクションに注意
- サーバー探しは registry.modelcontextprotocol.io(公式)や mcp.so(コミュニティ)が便利


