Vertex AI(Agent Platform)・BedrockでClaude CodeのAuto Modeが
出ない理由と有効化方法
一時的な不具合ではありません。サードパーティプロバイダー特有の仕様を解説します。
「Google Cloud Agent Platform(旧Vertex AI)やAmazon Bedrock経由でClaude Codeを使っているのに、Shift+Tabで回してもAuto Modeが出てこない」——これは不具合ではなく、サードパーティプロバイダーでは仕様上デフォルトで無効化されているためです。
本記事では、なぜ表示されないのかという仕組みと、有効化するための具体的な手順を解説します。
名称について:Vertex AIは「Agent Platform」に統合されました
Googleは2026年5月、Vertex AIを「Gemini Enterprise Agent Platform」へ名称統合しました。Claude Code公式ドキュメントも現在は「Google Cloud’s Agent Platform(旧Vertex AI)」という表記に切り替わっています。ただしログインウィザードの選択肢や環境変数名(CLAUDE_CODE_USE_VERTEXなど)は今も”Vertex”のままです。本記事では以降、公式ドキュメントに合わせて「Agent Platform(旧Vertex AI)」と表記します。
Auto Modeが使えるための4つの条件
Auto Modeは、以下の条件をすべて満たしたアカウントでのみ利用できます。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| プラン | すべてのプランで対象 |
| 権限者 | Team・Enterpriseでは、Ownerが管理設定画面で先に有効化する必要がある |
| モデル | Anthropic APIではOpus 4.6以降・Sonnet 4.6以降。サードパーティプロバイダーではSonnet 5・Opus 4.7・Opus 4.8のみ(Sonnet 4.5・Opus 4.5・Haiku・claude-3系はどのプロバイダーでも非対応) |
| プロバイダー | Anthropic APIではデフォルトで有効。Bedrock・Agent Platform(旧Vertex AI)・Foundry・サインイン済みのClaude Apps Gatewayセッションでは環境変数を設定するまで無効 |
これは一時的な不具合ではありません
Claude CodeがAuto Modeを「利用不可」と表示する場合、上記いずれかの条件を満たしていないことが原因です。一時的な障害ではないため、環境変数の設定やモデルの切り替えで解決します(一方、モデル名を含んだ上で「安全性を判断できない」という別のメッセージが出る場合は、分類器側の一時的な障害です)。
なぜサードパーティプロバイダーだけ制限されるのか
Auto Modeは、Claudeが行うアクションを裏側の分類器モデルが逐次チェックする仕組みで成り立っています。Anthropic API経由であれば、この分類器へのアクセスが標準で確保されていますが、Bedrock・Agent Platform(旧Vertex AI)・Foundryはそれぞれ別のインフラ・別の契約体系のため、デフォルトでは分類器へのルーティングが有効化されていません。安全機構が確実に機能する環境であることを明示的に示す必要がある、という設計です。
有効化の手順
STEP 1:対応モデルを使っているか確認する
サードパーティプロバイダーで対応しているのはClaude Sonnet 5・Opus 4.7・Opus 4.8のみです。それ以外のモデルを選択している場合、環境変数を設定してもAuto Modeは表示されません。
STEP 2:環境変数を設定する(個人利用)
~/.claude/settings.jsonのenvブロックに、以下を追記します。
~/.claude/settings.json
{
"env": {
"CLAUDE_CODE_ENABLE_AUTO_MODE": "1"
}
}
この変数はClaude Code v2.1.158以降で機能します。設定後、Shift+TabのサイクルにAuto Modeが表示されるようになります。
STEP 3:組織全体に展開する場合
同じenvブロックをmanaged settings(管理設定)に追加すれば、組織全体の開発者に一括で適用できます。
STEP 4(任意):デフォルトの起動モードにする
毎回手動で切り替えるのが面倒な場合、以下も併せて設定すると、セッション開始時から自動的にAuto Modeになります。
~/.claude/settings.json(ユーザーまたは管理設定)
{
"env": {
"CLAUDE_CODE_ENABLE_AUTO_MODE": "1"
},
"permissions": {
"defaultMode": "auto"
}
}
defaultMode: "auto"だけでは効かない
サードパーティプロバイダーでは、CLAUDE_CODE_ENABLE_AUTO_MODEを設定しない限りdefaultMode: "auto"の指定自体が無視されます。両方セットで設定する必要があります。
LLM GatewayとClaude Apps Gatewayの違いに注意
ここは見落としやすいポイントです。
LLM Gateway(ANTHROPIC_BASE_URLで構成)の場合
リクエストがAnthropic APIを経由してルーティングされるため、環境変数なしでもAuto Modeにアクセスできることがあります。
Claude Apps Gateway(サインイン型セッション)の場合
こちらはLLM Gatewayとは別のプロバイダー区分として扱われるため、同じくCLAUDE_CODE_ENABLE_AUTO_MODEの設定が必須です。「ゲートウェイ経由だから大丈夫だろう」と思い込むと設定漏れの原因になります。
逆に組織として無効化したい場合
セキュリティ方針上、Auto Mode自体を使わせたくない組織向けの設定もあります。
managed settingsでの無効化
{
"permissions": {
"disableAutoMode": "disable"
}
}
この設定はCLAUDE_CODE_ENABLE_AUTO_MODEの有効化設定より優先されるため、開発者が個別に環境変数を設定していても上書きしてAuto Modeを封じられます。
よくある質問
Q. 環境変数を設定したのに、まだAuto Modeが出てきません。
A. まずモデルを確認してください。サードパーティプロバイダーで対応しているのはSonnet 5・Opus 4.7・Opus 4.8のみです。それ以外のモデル(Sonnet 4.6やOpus 4.6など)を選んでいる場合は表示されません。次にClaude Codeのバージョンが2.1.158以降か確認してください。
Q. Team/Enterpriseプランで、自分では有効化できません。
A. Team・EnterpriseではOwnerが管理設定画面(Claude Code admin settings)で先に有効化する必要があります。個人の環境変数設定だけでは足りない場合、組織側の設定を確認してもらってください。
Q. Claude Platform on AWSでも同じ制限がありますか?
A. Claude Platform on AWSはAnthropicが直接運用するサービスで、Bedrock・Agent Platform(旧Vertex AI)・Foundryとは異なる区分です。制限の有無は利用する接続方法によって変わるため、最新の公式ドキュメントで確認することをおすすめします。
Q. 「安全性を判断できない」というメッセージが出ます。これも同じ原因ですか?
A. 違います。モデル名を挙げた上でAuto Modeが「アクションの安全性を判断できない」と表示される場合は、分類器側の一時的な障害です。本記事で扱っている「そもそもAuto Modeの選択肢が出てこない」という状態とは別の問題なので、時間を置いて再試行してください。
まとめ
本記事のポイント
- Bedrock・Agent Platform(旧Vertex AI)・Foundryでは、Auto Modeはデフォルトで無効という仕様。バグではない
- 対応モデルもSonnet 5・Opus 4.7・Opus 4.8のみとAnthropic APIより狭い
- 有効化には
CLAUDE_CODE_ENABLE_AUTO_MODE=1をenvブロックに設定する - Claude Apps GatewayもLLM Gatewayとは別区分のため、同じ環境変数設定が必要
- 組織として無効化したい場合は
disableAutoMode: "disable"が個人設定より優先される
「表示されない=壊れている」ではなく「表示されない=プロバイダーの仕様」だと分かれば、対応は環境変数1行で済みます。まずはモデルとバージョンを確認してから、設定を追加してみてください。
※本記事の情報は2026年7月時点のものです。対応モデル・仕様は変更される可能性があるため、最新情報は公式ドキュメントをご確認ください。

