Claude Codeとマネーフォワード クラウドをMCPで連携する方法|つまずいた3つのポイントと解決策
マネーフォワード クラウド会計・確定申告には、公式のMCPサーバーがあります。Claude Codeにつなぐと、「未仕訳の明細に勘定科目の案を出して」「今年の経費を科目別に集計して」と日本語で頼めるようになります。この記事では、個人事業主の帳簿を実際にClaude Codeへつないだときの手順と、途中で3回つまずいたポイントの解決策をまとめます。
1. マネーフォワード クラウド会計MCPでできること・できないこと
マネーフォワード クラウド会計MCPサーバーは、マネーフォワードが公式に提供している、AIツールから帳簿を操作するための窓口です。公式サポートページには「クラウド会計・確定申告を利用開始している場合、クラウド会計MCPサーバーは追加料金なく利用できます」と書かれています。登録できる仕訳数などの制限は、契約しているプランと同じです。
追加料金
(取得・登録)
登録
できること
| 分類 | 機能 | 頼み方の例 |
| 見る | 事業者情報、会計年度の設定、勘定科目・補助科目・取引先・部門・税区分 | 「勘定科目の一覧を出して」 |
| 見る | 仕訳の一覧・詳細、入出金明細の一覧 | 「未仕訳の明細を一覧にして」 |
| 見る | 残高試算表、推移表 | 「去年の経費を科目別に集計して、前の年と比べて」 |
| 書く | 仕訳の新規作成・更新 | 「この内容で仕訳を作って」 |
| 書く | 入出金明細の作成、明細からの仕訳作成 | 「この明細を通信費で仕訳して」 |
できないこと(画面での操作が必要)
- 次の年度の作成(次年度繰越):MCPには年度を作る機能がありません。実際に「2026年への繰越をして」と頼んだところ、画面から操作するよう案内されました(第5章)
- 確定申告書の作成と提出:MCPの機能一覧に入っていません。仕訳や集計まではClaude Codeで進め、申告書の作成と提出は今までどおり画面で行う形になります
MCPとAPI、どちらを使うべき?
中身はどちらもマネーフォワードのAPIです。Claude Codeと会話しながら「この明細はどの科目か」を判断していく使い方なら、準備が登録コマンド1つで済むMCPが向いています。毎晩同じ処理を自動で回したいなど、決まった作業を大量にこなす場合はAPIでスクリプトを書く方が向いています。
2. 事前準備:マネーフォワード側で必要な設定
Claude Codeにつなぐ前に、マネーフォワード側で2つの設定が必要です。ここを飛ばすと、認証の途中で止まります(第5章のつまずき②)。
① アプリポータルの利用を開始する
外部アプリとの連携を管理する「アプリポータル」(https://app-portal.moneyforward.com/)を開き、利用を開始します。最後に「連携中アプリ」の画面が表示されれば完了です。
② 自分のユーザーに「アプリ連携権限」を付ける
- 管理画面の左メニューで「ユーザー」を開き、自分のユーザーを選ぶ
- 「ユーザー情報」画面の右上にある「編集」をクリック
- 「アプリ連携権限」の欄で「アプリ連携」と「クラウド会計・確定申告」にチェックを入れる
- 「保存」をクリック
この設定には、管理コンソールの「全権管理」の権限が必要です。個人事業主で自分がアカウントを作った場合は、通常この権限を持っています。
3. Claude Codeに登録する
ターミナルで次のコマンドを実行します。
claude mcp add --transport http --scope user moneyforward https://beta.mcp.developers.biz.moneyforward.com/mcp/ca/v3ポイントは2つあります。
接続先は「beta」のURLを使う
公式サポートページには接続先が2つ載っています。
| 接続先 | 利用開始 | 再認証 | 対応 |
alpha.mcp.developers…/mcp/ca/v3 | 2026年3月26日 | 1時間ごと | OAuth/APIキー |
beta.mcp.developers…/mcp/ca/v3 | 2026年4月1日 | 自動で更新 | OAuth/APIキー/複数事業者 |
alphaは1時間ごとにログインし直す必要があります。特別な理由がなければbetaを選べば大丈夫です。
「–scope user」を付ける
claude mcp add は、何も指定しないと local スコープで登録されます。local はコマンドを実行したフォルダで開いたセッションだけで使える設定です。別のフォルダでClaude Codeを開くと、一覧に出てきません。どのフォルダからでも使いたい場合は --scope user(-s user)を付けます。
| スコープ | 使える範囲 | 向いている使い方 |
local(既定) | 登録したフォルダで開いたセッションだけ | 経理用のフォルダを決めて、そこでしか使わない |
user | どのフォルダで開いたセッションでも | いろいろな作業フォルダから頼みたい |
project | プロジェクトの .mcp.json を共有する人全員 | チームで同じ設定を配る(個人の帳簿には不向き) |
お金のデータなので「経理用のフォルダでしか使わない」と決めて local にするのも一つの考え方です。その場合は、必ずそのフォルダでClaude Codeを開いてください。
登録できたかは次のコマンドで確認できます。
claude mcp get moneyforwardScope: User config (available in all your projects) と表示されれば、どのフォルダからでも使える状態です。
4. 認証して、つながったか確かめる
- Claude Codeで
/mcpと入力する - 一覧の
moneyforwardの名前の部分を選んで詳細を開く - 「認証」(英語表示なら Authenticate)を選ぶ
- ブラウザが開くので、マネーフォワードにログインする
- 「アプリとの連携を許可しますか?」と表示されたら「許可」を押す
- 事業者を選ぶ画面が出たら、つなぎたい事業者(個人事業主の帳簿など)を選ぶ
- ブラウザに「認証完了」と表示されたら、Claude Codeに戻る
最後に、Claude Codeで次のように頼んでみてください。
マネーフォワードの事業者情報と勘定科目の一覧を取得して事業者名・会計期間・勘定科目の一覧が返ってくれば、正しくつながっています。筆者の環境では、連携している銀行口座やクレジットカードも補助科目として一覧に出てきました。
つながったら最初に確認したいこと
取得結果の「会計期間」に今年の年度があるかを見てください。前の年から繰り越していないと今年の期間がなく、今年分の仕訳を登録できません(第5章のつまずき④)。
5. 実際につまずいた3つのポイントと解決策
手順どおりに進めたつもりでも、実際には3回止まりました。どれも公式ページには書かれていない、あるいは見落としやすいポイントです。
つまずき①:登録したのに /mcp の一覧に出てこない
| 原因 | 解決策 |
local スコープで登録していて、別のフォルダでセッションを開いていた | --scope user で登録し直す(第3章) |
| デスクトップアプリが、起動した時点の設定を読み込んだままだった | アプリを ⌘Q で完全に終了してから起動し直し、新しいセッションを開く |
筆者の場合は2つが重なっていました。スコープを直しても一覧に出てこず、アプリを再起動してやっと「認証待ち」の状態で表示されました。登録を変えたあとは、すでに開いているセッションには反映されません。
つまずき②:認証の途中で「連携中アプリ」の画面に飛ばされて止まる
認証を始めたら、ブラウザにマネーフォワードの「連携中アプリ」画面が表示され、そこから先に進みませんでした。エラー表示はありません。
原因は、ユーザーに「アプリ連携権限」が付いていなかったことです。この画面は、アプリポータルの利用開始が済んだことを示すだけの画面でした。第2章の②の手順で「アプリ連携」「クラウド会計・確定申告」にチェックを入れて保存すると、次の認証で「連携を許可しますか?」の画面まで進みました。
つまずき③:「再接続」を押すと「サインインが完了していません」と出る
権限を付けたあと、/mcp の一覧で「再接続」を選ぶと、次のメッセージが出て失敗しました。
moneyforwardに再接続できませんでした:サインインが完了していません。「再接続」は、一度サインインが済んだサーバーにつなぎ直すためのボタンです。まだ一度もサインインが完了していない状態では失敗します。サーバーの詳細を開いて「認証」から始めると、ブラウザでのログインに進めました。
おまけ(つまずき④):今年の仕訳が登録できない
つながったあと、帳簿に今年の会計期間がないことに気づきました。前の年の確定申告が終わったあと、次の年度への繰越をしていなかったためです。前述のとおり繰越はMCPではできないので、画面で操作します。
- 画面上部の年度が前の年になっていることを確認する
- 左メニュー「決算・申告」→「次年度繰越」を開く
- 繰り越すデータ(残高・固定資産台帳・家事按分など)を選んで実行する
繰越は何度でもやり直せます。前の年の帳簿を直したら、もう一度繰り越せば今年の期首残高に反映されます。終わったらClaude Codeで「会計年度の設定を取得して」と頼むと、新しい年度ができたか確認できます。
6. 安全に使うための設定と運用ルール
帳簿は間違えると確定申告に響くデータです。つないだあとは、次の3つをおすすめします。
① 書き込み系の機能は、毎回確認してから実行する
MCPの機能のうち、帳簿を書き換えるのは次の5つです。Claude Codeの settings.json で ask(実行前に毎回確認)に入れておくと、自動承認のモードで使っていても、登録の前に必ず止まります。
{
"permissions": {
"ask": [
"mcp__moneyforward__mfc_ca_postJournals",
"mcp__moneyforward__mfc_ca_putJournals",
"mcp__moneyforward__mfc_ca_postTransactions",
"mcp__moneyforward__mfc_ca_postTransactionJournalize",
"mcp__moneyforward__mfc_ca_postTradePartners"
]
}
}機能の名前(mcp__moneyforward__…)は、登録するときに付けたサーバー名で変わります。上の例は moneyforward という名前で登録した場合です。
あわせて、Claude Codeへの頼み方も「案を出す → 自分で確認する → 登録する」の順番にしておくと安心です。
未仕訳の明細を一覧にして、それぞれ勘定科目の案を出して。登録はまだしないで② AIツール側で「学習に使わない」設定にする
公式サポートページでは、「認可コードがAIツールの学習に使用されないよう、データ収集を許可しない設定でAIツールをご利用ください」と案内されています。Claudeのアカウント設定で、データを学習に使う設定がオフになっているか確認してください。
③ 税金の判断は、出典を確認させる
MCPでつながると、Claude Codeは帳簿の数字をもとに税金の相談にも答えてくれます。ただし、最初の回答は出典を確かめずに知識だけで答えていることがあります。
筆者の環境では、消費税の制度について国税庁のページで確認するよう頼み直したところ、1か所が古い情報でした。インボイス制度の経過措置の割合が、最新の税制改正の内容と違っていたのです。税金の判断に使うときは、「国税庁のページで確認して、出典を付けて」と頼むのがおすすめです。最終的な判断は、税務署や税理士に確認してください。
複数の事業者を持っている場合
公式サポートページによると、事業者を切り替えたときは、チャットのセッションを終えてから設定し直す必要があります。操作する前に「今つながっている事業者を教えて」と頼み、正しい帳簿か確認する習慣をつけておくと安全です。
7. よくある質問(FAQ)
Q. MCPを使うのに追加料金はかかりますか?
A. かかりません。クラウド会計・確定申告を利用開始していれば、追加料金なしで使えます。ただし、登録できる仕訳数などの制限は契約しているプランに準じます。Claude Code側の利用料金は別途必要です。
Q. Claude CodeではなくClaudeのデスクトップアプリでも使えますか?
A. 使えます。マネーフォワードの開発者サイトでは、Claude Desktop・Claude Code・Claude Cowork・Cursorに対応していると案内されています。接続方法は、各ツールのMCPサーバー設定で接続先のURLを入力する形です。なお公式サポートページによると、2026年9月24日時点でClaude DesktopとClaude WebはAPIキーでの認証に対応していません(OAuthでのログインを使います)。
Q. 確定申告の提出までClaude Codeでできますか?
A. できません。MCPでできるのは仕訳・明細・レポート・マスタの取得と登録までです。申告書の作成と提出は、マネーフォワードの画面から行います。
Q. 設定でうまくいかないとき、マネーフォワードに問い合わせできますか?
A. 公式サポートページには「技術的なお問い合わせに関する窓口は原則として設けておらず、現時点でのサポート対象は有償の公認メンバーである士業事務所に限定しています」とあります。個人で使う場合は、この記事の第5章のような切り分けを自分で行う必要があります。
Q. 登録をやめたいときは?
A. claude mcp remove moneyforward -s user で外せます(local で登録した場合は -s local)。マネーフォワード側の「連携中アプリ」画面からも、連携を解除できます。
8. まとめ
- マネーフォワード クラウド会計・確定申告には公式のMCPサーバーがあり、追加料金なしでClaude Codeにつなげる
- 事前にアプリポータルの利用開始と、ユーザーへの「アプリ連携」「クラウド会計・確定申告」権限の付与が必要
- 登録は
claude mcp add --transport http --scope user moneyforward https://beta.mcp.developers.biz.moneyforward.com/mcp/ca/v3。betaのURLなら1時間ごとの再ログインが要らない - つまずきやすいのは、スコープとアプリの再起動、権限の付け忘れ、「再接続」ではなく「認証」から始めることの3つ
- 次年度繰越と確定申告書の作成・提出は、今までどおり画面で行う
- 書き込み系の機能は
askに入れて、登録前に必ず確認する。税金の判断は出典を確認させる
つないでしまえば、たまった未仕訳の明細の整理や、経費の集計、前の年との比較を日本語で頼めるようになります。実際にClaude Codeで個人事業主の経理を回してみた使い方は、Claude Codeで個人事業主の経理を回してみた|マネーフォワードMCPで仕訳・税金の集計・期限管理で紹介しています。


