CodexでGPT-6 Sol・Luna・Astraを使い分ける方法|config.tomlの設定とGPT-5.5廃止への備え【2026年9月】
GPT-6 SolとLunaの登場で、Codexで選べるGPT-6モデルはAstra・Sol・Lunaの3つになりました。一方でGPT-5.5は2026年10月14日にCodexから廃止されます。この記事では、3モデルの役割と提供範囲、config.tomlでの切り替え方、サブエージェントへの割り当て、effortの選び方までを公式ドキュメントに沿って解説します。
1. 結論:Codexのモデル選びはこの3つで考える
OpenAIのCodexのドキュメントは、3モデルの使い分けを次のように説明しています。
| モデル | 向いている作業 | 最初に試すeffort |
GPT-6 Astragpt-6-astra | コード・アプリ・調査にまたがる最難関の作業。持続的な推論と判断が必要な、最初から最後までの作業 | Light(設定値は low) |
GPT-6 Solgpt-6-sol | 日常の作業と複雑な作業。複雑なコード変更、深い調査、仕上げの必要な文書など | Medium |
GPT-6 Lunagpt-6-luna | 良い結果の形が分かっている、明確で繰り返しの多い作業。抽出・分類・変換・構造化された要約など | High |
ポイントは、最初に試すeffortがモデルごとに違うことです。Astraは最も軽いLightから、Lunaは逆に高めのHighから始めるよう案内されています。「上位モデルほどeffortも上げる」わけではありません。
公式ドキュメントは、推論の強さ(effort)はモデルの世代をまたいで同じ意味にはならないと注意しています。GPT-5.6で使っていた設定をそのまま持ち込まず、慣れた作業を低めの設定で試してから調整するよう勧めています。
2. どこで使える?Codexの提供範囲
Codexのモデル案内ページ(2026年9月26日時点)に掲載されている提供先です。
| 提供先 | Astra | Sol | Luna |
| ChatGPTデスクトップアプリ(Work・Codex) | ○ | ○ | ○ |
| ChatGPT Web(Work) | ○ | ○ | ○ |
| Codex CLI | ○ | ○ | ○ |
| Codex IDE拡張機能 | ○ | ○ | ○ |
| Codex cloud | ○ | 記載なし | ○ |
| API | ○ | ○ | ○ |
SolとLunaはPlus・Pro・Business・Enterprise・Eduで使え、FreeとGoではLunaをデスクトップアプリで使えます。ドキュメントは、提供状況は段階的な展開・サインイン方法・使うクライアントによって変わると書いています。表示されない場合は時間をおいて確認してください。
また、GPT-5.6のSol・Terra・Lunaは展開期間中は引き続き選べるとされています。
GPT-6 SolとLunaは、ChatGPTのWorkとCodexでは使えますが、通常のChatでは使えません。ChatGPTで見当たらないときは、WorkかCodexを開いているかを確認してください。
3. GPT-5.5は10月14日に廃止:移行チェックリスト
モデル選びと同時に確認しておきたいのが、古いモデルの廃止です。
| モデル | Codex(ChatGPTサインイン)での扱い | 置き換え先 |
gpt-5.5 | 2026年10月14日に廃止予定(ChatGPT、ChatGPT Work、Codexの全プラン) | Plus以上は gpt-6-sol、Free・Goはデスクトップアプリで gpt-6-luna |
gpt-5.4 / gpt-5.4-mini | 2026年8月31日に廃止済み | gpt-6-sol / gpt-6-luna |
gpt-5.2 / gpt-5.3-codex | 廃止済み(非推奨) | 利用できるモデルに変更 |
この廃止はOpenAI APIには適用されません。APIキーでサインインしたCodexも、GPT-5.4の廃止の影響を受けないとされています。影響を受けるのは主に、ChatGPTアカウントでサインインして使っている人です。
公式ドキュメントが挙げている、古いモデル名が残りやすい場所です。
- ワークスペースの既定モデル(管理者の設定)
~/.codex/config.tomlなどに保存したモデル設定- 管理された構成(managed configuration)
- カスタムエージェントの設定
- スケジュールされたタスク
codex exec --modelを使うスクリプト
手元の設定ファイルは、次のコマンドでまとめて探せます。
grep -rn "gpt-5\.[2-5]" ~/.codex/ 2>/dev/null
4. config.tomlでモデルとeffortを設定する
ChatGPTデスクトップアプリ、Codex CLI、IDE拡張機能は同じ config.toml を読み込みます。モデルを指定しなければ、推奨モデルが使われます。
既定のモデルとeffortを決める
# ~/.codex/config.toml
model = "gpt-6-sol"
model_reasoning_effort = "medium"
model_reasoning_effort には、low・medium・high・xhigh・max・ultra などを指定できます。使える値はモデルとクライアントによって変わります。
計画モードだけ推論を強くしたい場合は、専用の設定があります。
plan_mode_reasoning_effort = "high"
作業に応じてプロファイルで切り替える
作業の種類ごとに設定をまとめておくと、起動時に切り替えられます。プロファイルは config.toml と同じ場所に <プロファイル名>.config.toml として置き、--profile(-p)で選びます。
# ~/.codex/astra.config.toml
model = "gpt-6-astra"
model_reasoning_effort = "low"
# ~/.codex/luna.config.toml
model = "gpt-6-luna"
model_reasoning_effort = "high"
# 難しい設計の見直しはAstraで
codex --profile astra "認証まわりの設計を見直したい"
# 定型作業はLunaで
codex -p luna "READMEのセットアップ手順を最新のコマンドに合わせて"
# その場だけモデルを変える
codex -m gpt-6-luna "このログからエラー行だけ抜き出して"
プロファイルを指定しなければ、config.toml の既定(上の例ではSolのmedium)で動きます。普段はSol、重い作業だけAstra、定型作業はLunaという3段構えが組みやすい形です。
プロジェクト内の .codex/config.toml は、信頼したプロジェクトで設定を上書きできます。ただし、プロファイルの選択(profile・profiles)や、接続先・通知などの一部の設定は無視されます。プロファイルはユーザー単位の設定に置いてください。
5. サブエージェントにLunaを割り当ててコストを抑える
Codexは作業の一部をサブエージェントに任せられます。サブエージェントが担当するのは、検索や一括修正のような範囲がはっきりした作業であることが多く、Lunaの得意分野と重なります。
すべてのサブエージェントの既定を変える
# ~/.codex/config.toml
model = "gpt-6-sol"
[agents]
default_subagent_model = "gpt-6-luna"
default_subagent_reasoning_effort = "high"
こうすると、メインの作業はSolで進めつつ、生み出されるサブエージェントは既定でLunaになります。サブエージェントを起動するときにモデルやeffortが明示された場合は、そちらが優先されます。
役割ごとに別の設定を持たせる
特定の役割だけ設定を変えたい場合は、役割(ロール)を宣言して、専用の設定ファイルを指定します。
# ~/.codex/config.toml
[agents.lint-sweep]
description = "ロジックを変えずに、リンタの警告だけを直す"
config_file = "agents/lint-sweep.toml"
# ~/.codex/agents/lint-sweep.toml
model = "gpt-6-luna"
model_reasoning_effort = "medium"
description は、Codexがどのエージェントを起動するか判断するときの説明として使われます。config_file の相対パスは、宣言した設定ファイルの場所を基準に解決されます。
6. effortの選び方:MaxとUltraはいつ使う?
アプリやIDE拡張機能では「Light」、CLIでは「Low」と表示が少し違う点に注意してください。公式の目安は次のとおりです。
| 設定 | 向いている作業 |
| Light(CLIではLow) | すぐ終わる、範囲の決まった作業 |
| Medium | ある程度の計画が必要な作業。速さと深さのバランス |
| High / Extra High | 複数の手順・情報源・トレードオフがある難しい作業 |
| Max | 1つの課題を、選んだモデルに時間をかけて考えさせる。最難関の問題向け |
| Ultra | サブエージェントを使い、複雑な作業の別々の部分を並行して進める |
ドキュメントは、ほとんどの作業にMaxやUltraは不要だとしています。Maxは「1つの問題を深く考えたいとき」、Ultraは「意味のある単位に作業を分けられるとき」に使います。
GPT-6 LunaはMaxまで選べますが、Ultraには対応していません。サブエージェントで並行作業をさせたい場合は、SolかAstraを選んでください。
対応しているモデルなのにデスクトップアプリのスライダーにUltraが出ない場合は、設定 > 構成(Configuration)で、モデル選択スライダーにUltraを表示する設定をオンにします。Maxが表示されない場合も、アプリの設定で有効にする必要があるとされています。
アプリの「Power」プリセット
ChatGPTデスクトップアプリでは、モデルとeffortの組み合わせが6つのプリセットとして並んでいます。
Luna High → Sol Light(最初の位置)→ Sol Medium → Astra Light → Astra Medium → Astra Extra High
「Smarter」側に動かすと深く考え、「Faster」側に動かすと速く安くなります。一部の有料プランではAstra Extra Highが表示されません。細かく選びたい場合はAdvancedを開きます。
7. 費用はどう変わる?
ChatGPTアカウントでサインインしている場合、Codexの利用はプランの利用枠の中で行われます。APIキーでサインインしている場合は、トークン単位で課金されます。
APIの料金(100万トークンあたり、入力/出力)は、Astraが$10/$50、Solが$2/$10、Lunaが$0.10/$0.50です。SolはAstraの5分の1、LunaはSolの20分の1です。
GPT-6の3モデルは、入力が27.2万トークンを超えるリクエストの料金が、リクエスト全体で入力2倍・出力1.5倍になります。APIキーで使っている場合、読ませる範囲を絞るだけで費用が大きく変わることがあります。
料金とベンチマークの詳しい比較は、GPT-6 SolとLunaとは?料金・性能をAstra・GPT-5.6・Claudeと比較にまとめています。
8. よくある質問
Q. Codex cloudの既定モデルは変えられますか?
公式ドキュメントによると、現時点ではCodex cloudでのチャットの既定モデルは変更できません。また、Codexのモデル案内ページのSolの提供先には、Codex cloudが載っていません(2026年9月26日時点)。
Q. Astraで長い作業を続けると文脈があふれます
ChatGPTのPlusまたはProでサインインしている場合、対応するCodexクライアントで「実験的なコンテキスト管理」を試せます。Astraが文脈をまたいでメモを残し、同じ作業の過去のメッセージやツールの結果を検索できるようになる機能です。既定ではオフで、config.toml に features.context_management.experimental_mode = true を書いてから新しいタスクを始めます。Business・Enterprise、APIキーでのサインインでは、提供開始時点では使えません。
Q. GPT-5.6のSolやTerraから移るなら、どれを選べばよいですか?
公式の対応表はありませんが、役割で考えると、GPT-5.6 Sol(フラッグシップ)で行っていた重い作業はGPT-6 SolかAstra、GPT-5.6 Terra(バランス型)の作業はGPT-6 Sol、GPT-5.6 Lunaの定型作業はGPT-6 Lunaが候補です。effortは世代をまたいで同じ意味にならないため、まず低めの設定で試してください。
Q. 古いCodex CLIのままでも使えますか?
筆者の環境では、古いバージョン(0.145.0)のCodex CLIでGPT-6 Astraを指定したところ、「このモデルには新しいバージョンのCodexが必要」というエラーになりました。GPT-6のモデルが選べない、またはエラーになる場合は、まずCodex CLIを最新版に更新してください。
9. まとめ
- Astraは最難関、Solは日常と複雑な作業、Lunaは明確な定型作業。最初に試すeffortはAstraがLight、SolがMedium、LunaがHigh
- GPT-5.5は2026年10月14日にCodexから廃止(ChatGPTサインインの場合)。設定ファイルやスクリプトに残ったモデル名を置き換える
- モデルは
config.tomlのmodelで設定し、プロファイルで作業ごとに切り替えられる agents.default_subagent_modelでサブエージェントだけLunaにすると、メインの品質を保ったまま費用を抑えやすい- LunaはUltra非対応。MaxとUltraはほとんどの作業で不要とされている
今日やれる最初の一歩は、上のgrepコマンドで gpt-5.5 が設定に残っていないかを確認することです。10月14日を過ぎてから気づくと、スケジュールしたタスクや自動化のスクリプトが止まってしまいます。


