Gemini 4が発表され、「GoogleにもClaude CodeやCodexのようなコーディングツールがあるの?」と気になった人へ。答えはあるです。ただし、発表されたモデル「Gemini 4 Argon」と、いま個人が使える開発ツールは分けて考える必要があります。この記事では、Codex・Claude Codeを使っている人がGoogleの選択肢を迷わず試せるよう、役割・始め方・プランの違いを整理します。
先に結論:手元のリポジトリをターミナルから触りたいならAntigravity CLI、画面で複数の作業を見たいならAntigravity 2.0、VS Codeをそのまま使いたいならAntigravity拡張。GitHub上の作業を別環境へ任せたいならJulesです。まず無料の個人アカウントで小さなタスクを試し、使用量が足りなくなってから有料プランを検討できます。
Gemini 4とは?発表と「今使える」は別の話
Googleは2026年9月30日にGemini 4 Argonを発表しました。Googleは実際のソフトウェア開発や複雑な長期タスクでの性能を紹介しています。一方、2026年10月4日時点の提供先は、まず信頼できるサイバー防御関係者などの限定的な利用者です。開発者・企業・一般消費者へは段階的に広げる方針で、Google AI Ultraに加入すれば今日Argonを使える、という状態ではありません。出典:GoogleのGemini 4 Argon発表
現在のAntigravityのモデル一覧にもArgonは載っていません。本記事はArgonの使用レビューではなく、現行ツールの公式資料に基づく導入ガイドです。
Claude Code・Codex利用者向け:Googleの道具はどれに当たる?
Googleには名前の近いサービスが複数あります。「モデル」「開発エージェント」「ブラウザ上の試作環境」「個人向けサブスク」を一つに見なすと、料金やできることを誤解しやすくなります。
| やりたいこと | Googleの選択肢 | 使い分け |
|---|---|---|
| ターミナルでローカルのコードを調べ、編集・テストする | Antigravity CLI | Claude Code/Codex CLIに近い入り口 |
| タスクや差分を画面で見ながら進める | Antigravity 2.0 | デスクトップでエージェントの作業と成果物を確認 |
| VS Codeなどを変えずに使う | Antigravity IDE拡張 | 既存エディタ内で会話・差分レビュー |
| GitHubリポジトリの仕事を非同期で任せる | Jules | GitHub連携の別環境で修正や機能追加を依頼 |
| モデルをブラウザで試し、アプリを試作する | Google AI Studio | モデルの実験・試作向け |
ここでいう「近い」は使う場面の対応です。承認方法、操作範囲、品質まで同じという意味ではありません。比較の基準となるCodexの説明はOpenAIの公式資料で確認できます。
古い「Gemini CLI」「Gemini Code Assist」の記事には注意
個人アカウントでこれから始める場合、ここが重要です。Google Cloudの現行案内によると、2026年6月18日から従来のGemini CLIとGemini Code Assist IDE拡張は、個人向けCode Assist・Google AI Pro・Ultraのリクエストを処理しなくなりました。個人ユーザーにはAntigravity/Antigravity CLIへの移行が案内されています。古い記事にあるGemini CLIの導入手順を、現在の最短ルートとして使わないでください。組織向けのCode Assist Standard/Enterpriseは別の契約体系です。
Antigravityで何ができる?最初に試すべき作業
Antigravity CLIは複数ファイルの編集、ツールの呼び出し、多段階の作業をターミナルから扱います。Antigravity 2.0は計画・差分・実行結果を画面で確認するデスクトップアプリです。IDE拡張はVS Codeなどの編集環境に組み込めます。
最初は「アプリを全部作って」より、既存リポジトリで結果を確かめやすい依頼が向いています。例えば次のように、範囲と完了条件を指定します。
このリポジトリのCSV読み込み処理を調べてください。
まず関係するファイルと、空行を含むCSVで失敗する理由を説明してください。
修正案を示してから、必要なファイルだけ変更してください。
既存のテストと追加したテストを実行し、差分と結果を報告してください。
依存関係の追加と外部への送信は行わないでください。この依頼なら、コード理解→修正→テスト→差分確認を一度に比べられます。CodexやClaude Codeと同じ課題を試すなら、同じリポジトリの同じ開始状態を使い、正しさ・手戻り・レビューしやすさを見ます。Googleのベンチマークを自分の開発結果だと受け取る必要はありません。
まず試す:CLI・デスクトップ・VS Codeの始め方
ターミナル派:Antigravity CLI
- 公式の導入ページでOS別のインストール方法を確認する。
- 対象リポジトリを開いて
agyを起動し、個人のGoogleアカウントでサインインする。 - まず「変更せず関係ファイルを調査して」と依頼する。
- 小さな修正を依頼し、コマンド・差分・テスト結果を確認する。
- モデルや使用量はCLI内の
/usage(または/quota)で確認する。公式案内
公式ページにはインストール用のシェルコマンドもあります。実行前にリンク先と内容を確認し、会社の端末なら組織の方針に従ってください。
画面で確認したい:Antigravity 2.0/VS Code拡張
デスクトップで作業全体を見たい場合はAntigravity 2.0の導入案内からインストールします。VS Codeを使っている場合はGoogle Antigravity拡張の案内に沿って拡張機能を入れます。どちらも最初はテスト用リポジトリで、ファイル変更やシェル実行の承認内容を確認してください。
基本操作やスラッシュコマンド、モデルの切り替え、利用枠の確認を詳しく知りたい方は、Google Antigravityの使い方完全ガイドを参照してください。
Google AIプランで何が変わる?無料・Plus・Pro・Ultra
日本向けGoogle AIプランは、GeminiアプリやGmail・Docsなどの機能、クラウドストレージ、開発ツールの利用枠をまとめた個人向けサブスクです。コードを書くためだけの契約ではありません。実際の月額は申し込み画面で確認してください。
| 選択肢 | 開発用途での判断 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 無料 | Antigravityを試せる。基本的なモデル・機能と週単位の利用枠 | Google製ツールが自分に合うか確かめたい人 |
| Google AI Plus | Geminiアプリやストレージ等の特典が主眼。Antigravityのモデル表では無料と同じ列で整理される | 開発以外のGoogle AI機能も使いたい人 |
| Google AI Pro | Antigravityの利用枠が増え、5時間ごとの更新と週上限がある。AI Studio・Julesの枠も拡大 | 無料枠を継続的に使い切る人 |
| Google AI Ultra | さらに高い利用枠。GeminiアプリのDeep Thinkなどの特典もある | GoogleのAIを日常的に多く使う人 |
Antigravityの枠は単純な「1日○回」ではなく、作業量やモデル、5時間枠・週枠によって変わります。無料・Plusの違いも、開発用途だけでなくアプリやストレージを含めて判断してください。出典:Antigravityプラン、利用可能モデル、Google AIプラン。
開発以外では、PlusはGeminiアプリ・Gemini Notebook・Gmailなどの利用拡大が中心です。ProではDocsやSheetsへのGemini連携、AI Studio・Jules・Antigravityの上限拡大が加わり、UltraはGeminiアプリのDeep Thinkやさらに高い利用枠を求める人向けです。画像・動画生成、ストレージ、YouTube特典もプランに含まれますが、機能によって国・言語・年齢の条件があります。「ChatGPTやClaudeの月額契約に加えて何が欲しいか」を、コーディング枠だけでなく普段使うGoogleアプリまで含めて選ぶのがよいでしょう。出典:Google AIプランの機能一覧
Gemini 4 Argon目当てで先に課金しない:Googleは提供拡大の順番として有料API利用者とGoogle AI Ultra会員を挙げていますが、公開日を確約していません。現在のモデル一覧・アカウント画面で使えると確認できるまで、Argonを契約の前提にしない方がよいでしょう。Googleの発表
個人向けプランとGemini APIの請求は別
Google AI Pro/UltraでAI StudioのWeb画面における試作枠は広がります。しかし、外部アプリからAPIキーで呼ぶGemini APIの利用料までサブスクに含まれるわけではありません。APIの課金・利用枠は別に管理されます。Antigravityで枠を使い切ったときの追加AIクレジットも、設定による追加利用です。出典:Google AIプランとAPIの区別、Antigravityの追加利用。
JulesとAI Studioは、いつ使う?
JulesはGitHubのリポジトリをつないで仕事を渡す非同期コーディングエージェントです。公式の始め方では、リポジトリとブランチを選んで依頼し、計画を確認してから変更を進めます。PCのローカル環境で細かく直すより、独立したバグ修正や文書更新を切り出す用途に向きます。Googleのプラン説明では現時点で英語のみと案内されているため、日本語での運用を前提にする人は注意してください。GitHub連携権限と対象リポジトリも確認しましょう。
Google AI StudioはGeminiモデルをブラウザで試し、プロンプトやアプリの試作をする場所です。API利用を含む本番アプリへの展開は、別の課金・運用設計が必要です。「Googleのモデルの使い心地だけ知りたい」ならAI Studioから始める選択もあります。出典:AI StudioとAPI課金
どれを選ぶ?3つのケースで決める
- Claude CodeやCodex CLIとの違いを一度試したい:無料のAntigravity CLIで、既存リポジトリの小さな修正を1件。モデルと残量を画面で確認する。
- エディタを変えたくない:VS CodeなどのAntigravity拡張から始める。専用アプリはタスクや成果物をまとめて追いたくなってから試す。
- 作業を任せて別のことをしたい:GitHubにつないだJulesで、テスト可能な単独タスクを渡す。ローカルの対話修正にはAntigravityを使う。
Googleの有料プランへ乗り換えるかは、無料で同じ課題を実行した後に考えれば十分です。修正の正確さだけでなく、承認画面、差分の読みやすさ、制限に当たる頻度も確認します。AIを使った開発でデータ設計を先に整理したい場合は、当ブログのバイブコーディング前のER図とデータ設計も参考にしてください。
よくある質問
Google AI Proを契約すればGemini 4 Argonを使えますか?
2026年10月4日時点では、そうは案内されていません。Googleは限定提供から始め、順次拡大すると発表しています。発表本文と現在のモデル一覧で確認してください。
Gemini CLIを入れればClaude Codeのように使えますか?
個人アカウントで新たに始めるなら、現在の案内先はAntigravity CLIです。古いGemini CLIの料金表・インストール記事は現状と食い違う場合があります。Google Cloudの移行案内を確認してください。
仕事のコードを使う場合、個人プランでよいですか?
会社のリポジトリや顧客データを扱う前に、組織のAI利用ルール、接続先、データの扱いを確認してください。Antigravityには個人向けと企業向けで異なる契約があり、JulesにはGitHub連携が必要です。個人の契約を業務の承認済み環境と見なさないことが大切です。
まとめ:Gemini 4を待たず、現行ツールを小さく試そう
Gemini 4 Argonの発表は、GoogleのコーディングAIを見直すきっかけになります。ただし現時点でArgonは一般向けに開放されていません。Codex・Claude Code利用者が今試すなら、Antigravity CLI/2.0/IDE拡張から自分の作業画面に合うものを選ぶのが最短です。まず無料枠で1件の調査・修正・テストを実行し、差分と使用量を見てから有料プランを判断してください。
情報確認日:2026年10月4日。この記事はGoogle・OpenAIの公式資料を確認して作成した導入ガイドであり、筆者がAntigravityやGemini 4 Argonを実際に使用した性能レビューではありません。提供地域・モデル・利用枠・料金は変更されるため、導入時はリンク先の最新表示をご確認ください。


