Google Antigravityの使い方を、操作から理解する。 画面の見方、スラッシュコマンド、モデルの選び方、利用枠と追加クレジットの確認方法を、Codex・Claude Code利用者の視点で整理します。
Google Antigravityを初めて開くと、デスクトップ版・CLI・IDE拡張という入口の違いに加え、モデル、Planning mode、権限、Artifactなど選択肢が多く見えます。本記事は「小さなアプリを作ってみる」型の体験記ではありません。作業前にどこを見るか、作業中に何を切り替えるか、終わったらどこで差分と利用量を確認するかを手順として説明します。モデルとプランは更新されるため、執筆時点の公式資料へのリンクも各所に置きました。
Google Antigravityとは? 3つの入口を先に整理
Antigravityは、GoogleのAIエージェントにコードベースの調査、変更案の作成、ファイル編集、コマンド実行、結果の確認を依頼できる開発環境です。デスクトップ版のAntigravity 2.0は、一般的なエディターのサイドバーにAIチャットを足したものではなく、プロジェクトを作り、エージェントの作業とレビューを中心に据えたアプリです。CLIは同じ作業をターミナルから行う入口、IDE拡張は既存エディター内の入口です。Google公式:Antigravity 2.0の概要、CLI概要。
| 入口 | こんな人向け | 最初の操作 | 確認の中心 |
|---|---|---|---|
| Antigravity 2.0 | 計画・差分・複数タスクを画面で追いたい | アプリでプロジェクトを作る | 成果物(Artifact)、変更差分、実行結果 |
| Antigravity CLI | Claude Codeのように端末で作業したい | 対象フォルダで agy | ターミナル内のArtifact Reviewとコマンド出力 |
| IDE拡張 | VS Codeなど今のエディターを使い続けたい | 公式拡張を入れてサインイン | エディター内のプランとインライン差分 |
モデル名の「Gemini」と、作業するためのアプリ「Antigravity」は別物です。また、以前のGemini CLIの gemini コマンドを探している場合も、現在のAntigravity CLIの起動コマンドはagyです。Googleは旧GCLIからの移行案内も用意しています。公式:GCLI migration。Googleのツール全体像やAIプランとの関係は、別記事のGemini 4時代のGoogle製AIコーディングツール比較にまとめました。
始め方:インストール、サインイン、最初のプロジェクト
方法A:Antigravity 2.0を画面で使う
- 公式ダウンロードページを開き、OSに合ったAntigravity 2.0を選ぶ。MacはApple Silicon用、Windowsはx64/ARM64用などを取り違えない。
- インストール後、Googleアカウントでサインインする。会社のアカウントは組織側の利用許可が必要な場合があるため、画面の案内に従う。
- 左サイドバーの「+」付きフォルダーアイコンからNew Project → Add Folder → Createの順に進み、対象フォルダーを登録する。初回は秘密情報のない練習用フォルダーを使う。
- 入力欄に依頼を書く。開始時のモードは、元フォルダーに直接作業するLocalと、Gitの隔離された作業領域で進めるNew worktreeから選べる。既存アプリの変更を試すなら後者が判断しやすい。
この導線は公式のGetting startedに沿っています。初回の画面表示や文言は更新されることがあるため、表示が違えば公式の最新版を参照してください。
方法B:Antigravity CLIをターミナルで使う
公式のインストールと認証ガイドからOS別手順を確認します。macOS/Linuxの公式クイックインストールは次のとおりです。リモートのスクリプトを実行する操作なので、URLと内容を確認してから実行してください。WindowsのPowerShell/CMD向け手順も公式ページにあります。
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash
mkdir agy-demo
cd agy-demo
agy初回起動ではテーマや表示方式、作業フォルダーを信頼するかの確認が入ります。CLIを入れたのに agy: command not found となる場合、まず新しいターミナルを開き直し、公式手順にある実行ファイルの配置先(macOS/Linuxは通常 ~/.local/bin/agy)がPATHにあるかを確かめます。公式のCLI開始手順。
方法C:VS Codeの中で使う
VS Code 1.90以降で拡張機能画面を開き、公開元がGoogleの「Google Antigravity」を探してインストールします。Activity BarのAntigravityアイコンからサインインします。拡張機能は初回起動時にローカルの agy バックエンドを導入します。類似名の非公式拡張と公開元を見間違えないことが大切です。公式:VS Code拡張の導入方法。
どれから始める? Claude Codeに慣れている人ならCLIが最短です。ただし、Antigravity特有の計画・差分レビューを把握するには2.0が見やすいので、初回は2.0で一度流れを体験するのも有効です。どの入口でも、成果物の内容は自分で確認します。
起動後に覚えたい基本操作とスラッシュコマンド
まずデスクトップ版の画面操作です。左のフォルダー+アイコンからプロジェクトを作り、対象フォルダーを追加します。チャット欄に依頼を入れると、開始時にLocal(登録したフォルダーで作業)またはNew worktree(分離したGit作業領域)を選べます。既存リポジトリで大きな修正を試すならworktreeが便利です。会話を探すにはMacで⌘K、Windows/LinuxでCtrl+K、ファイル検索は⌘P/Ctrl+P、入力欄への移動は⌘L/Ctrl+Lです。公式:Getting started。
CLIでは対象フォルダーで agy を起動します。入力欄で / を打つと候補が表示されます。Enterは送信、Shift+EnterまたはCtrl+Jは改行、Ctrl+RはArtifact Review、Escは開いているパネルを閉じる操作です。長い依頼を書くならCtrl+Gで外部エディターを開けます。終了は入力欄が空の状態でCtrl+D、または /exit。公式:CLI reference。
| やりたいこと | Antigravity CLIでの操作 | 使う場面と注意点 |
|---|---|---|
| 利用できる操作を探す | /、/help | まずメニューを開く。アプリ版とCLIで表示項目が異なる場合がある |
| モデルを変える | /model | モデル選択パネルを開く。詳細は次節 |
| 計画してから進める | /planning、対応画面では/plan | CLIではPlanning modeへ切り替え。2.0/IDEの/planは計画Artifactを作成 |
| 素早く進める | /fast | 専用の計画段階を省く。対象が狭い修正向け |
| 変更ファイルを見る | /diff | 対話型の差分ビューを開く |
| 計画・成果物を確認 | /artifact または Ctrl+R | Artifact Reviewを開き、計画や生成ファイルを確認 |
| 許可設定を確認 | /permissions | コマンド・ファイル・URLなどの権限ルールを確認 |
| 前の会話に戻る | /resume | 会話ピッカーから過去のセッションを選ぶ |
| 新しい話題で始める | /clear(別名 /new) | 現在の会話文脈をリセットする |
| モデル別の残り枠 | /usage(別名 /quota) | モデルごとの利用枠と更新状況を見る |
| 追加AIクレジット | /credits | 残高・消費履歴・購入導線を見る。基本枠とは別 |
コマンドの一覧とキー操作はGoogle公式CLI referenceで確認できます。デスクトップ版でも入力欄に / を入れて候補を探せますが、CLI固有の設定コマンドをデスクトップ版にそのまま打てるとは限りません。画面にモデルメニューや設定項目があればそちらを使います。公式:Slash commands overview。
計画、差分、承認をどう使い分ける?
作業を始める前に計画を確認したいときは、2.0やIDEではPlanning modeを選ぶか /plan を使います。CLIでは /planning で計画生成モードに切り替えられます。作業後は /diff で実際に何が変わったかを見て、CLIのArtifact Review(Ctrl+R)で成果物を確認します。計画を承認したことと、最終的なコードを確認したことは別です。2.0ではArtifact review policyを「Request review」にすると計画や差分の承認ポイントで停止します。公式:Artifact review、公式:Implementation plan。
最初に覚える5操作: agyで起動 → /modelでモデル確認 → /usageで残り枠確認 → 依頼後に /diff とCtrl+Rで変更確認 → /exitで終了。作業内容は自分のリポジトリでかまいません。練習用の制作課題は不要です。
どのモデルが使える? どう切り替える?
2026年10月4日時点のGoogle公式モデル表では、利用可能なモデルはプランで変わります。この一覧は固定ではなく、実際に自分のアカウントの選択メニューに表示されるモデルが基準です。特に「Gemini 4の発表があったからAntigravityでもGemini 4を選べる」とは限りません。執筆時点の公式モデル表にGemini 4 Argonは掲載されていません。
| モデル群 | 2026年10月4日時点の掲載例 | 利用できるプラン |
|---|---|---|
| Gemini | Gemini 3.8 Flash、3.7 Flash、3.6 Flash、3.1 Pro | 無料・Google AI Plus・Pro・Ultra・Enterprise |
| Claude 5.5 | Sonnet 5.5 (thinking)、Opus 5.5 (thinking) | Google AI Pro(非トライアル契約)・Ultra |
| Claude 4.6 | Sonnet 4.6 (thinking)、Opus 4.6 (thinking) | 無料・Plus・Pro。公式表ではUltra対象外 |
| その他 | GPT-OSS-120B | 無料・Plus・Pro・Ultra |
公式表にはClaude 4.6とGPT-OSS-120Bについて2026年11月2日に提供終了予定の注記があります。将来の記事閲覧時には変わっている可能性があるため、最新の一覧を確認してください。またAntigravity内のClaudeモデルは、GoogleのAntigravityの利用枠と条件で選ぶものです。手元のClaude Code契約の枠をそのまま持ち込む操作ではありません。公式:Models、Plans。
デスクトップ版・IDEで切り替える
- 会話入力欄の下にあるモデル選択メニューを開く。
- 現在のプランで選べるモデルと、表示される思考レベルを確認する。
- モデルを選び、次のメッセージから動作を確認する。
公式資料によると、選んだreasoning modelは同じ会話内の次のメッセージにも引き継がれます。実行中に変更しても、進行中のターンは旧モデルで完了し、切り替わりは後続の処理からです。画面のモデルメニューには「View Usage」もあり、残り枠を確認できます。公式:Models。
CLIで切り替える
agyの入力欄に /model と入力してEnterを押し、候補から選びます。CLI referenceでは、選んだreasoning modelはセッションをまたいで保持される設定と説明されています。モデル候補はアカウントのプランや利用状況で変わるため、名前を決め打ちせずメニューの候補を見てください。公式:CLI reference。
選択に迷ったら、日常的な調査・小変更は利用可能なFlash、複雑な実装計画や難しい調査はProや利用可能な上位モデルから試すとよいでしょう。これは性能の断定的な順位ではなく、作業の重さと残り枠を見て選ぶための運用上の目安です。利用枠を節約したいときは、先に /usage を見てください。
Codex・Claude Code利用者が迷う操作の違い
3製品とも自然文で依頼できますが、同じスラッシュコマンド名でも用途や画面構成が異なります。次の表はCLI/TUIを基準にした操作の対応です。デスクトップアプリのUIはそれぞれ別です。CodexはOpenAI公式のDeveloper commands、Claude CodeはAnthropic公式のCommands、AntigravityはGoogle公式CLI referenceに基づいています。
| 目的 | Antigravity CLI | Codex CLI | Claude Code |
|---|---|---|---|
| モデル変更 | /model | /model | /model |
| 計画してから作業 | /planning(2.0/IDEは/plan) | /plan | /plan |
| 変更差分を見る | /diff | 作業ツリーの差分確認。/reviewはレビュー依頼 | /diff |
| 利用状況 | /usageでモデル枠、/creditsで追加クレジット | /statusでセッション情報、/usageでアカウント利用状況 | /usage(/costは別名) |
| 許可設定 | /permissions | /permissions | /permissions |
| 過去の会話 | /resume | /resume | /resume |
とくにAntigravityの/diffとCodexの/reviewは同じ操作ではありません。前者は自分で差分を閲覧するためのビュー、後者はCodexに作業ツリーのレビューを依頼する機能です。Claude Codeの /diff は対話型の差分ビューです。Antigravityでは計画や成果物をArtifactとして扱い、CLIならCtrl+Rでもレビュー画面を開きます。これが使い始めの最大の操作上の違いです。Google:Diff、OpenAI:Developer commands、Anthropic:Commands。
Claude Codeの/modelもモデル選択ですが、選べるのはClaude Code側の契約・プロバイダーで許可されたモデルです。AntigravityはGoogleのプランに応じてGeminiだけでなく一部のClaudeやGPT-OSSもモデル選択欄に出ます。同じClaude Sonnetの名称が見えても、請求・利用枠・設定画面は利用している製品側で確認します。Anthropic:Model configuration、Google:Models。
計画・権限・ブラウザー操作を安全に使う
「Request review」は2種類ある
ここは名前が似ていて混同しやすいところです。Artifact review policyのRequest reviewは、実装計画や差分のレビューで停止する設定です。一方、permission presetのRequest Reviewは、ターミナルコマンドなどの権限要求をどう扱うかの設定です。macOS/Linuxの現在の権限体系では、Defaultは作業領域内のサンドボックス実行を許し、外に出る操作を確認します。Request Review presetは各コマンドに確認を求め、Turboは非常に広い権限を与えます。Windowsは別の権限体系が案内されています。初回はDefaultから始め、計画・差分のレビューはRequest reviewにするのが理解しやすい設定です。公式:Agent permissions。
秘密情報と外部接続は先に境界を決める
AIに読ませるフォルダーに .env、秘密鍵、顧客データ、個人情報がある場合、そのままプロジェクトに追加する前に取り扱いを決めます。練習はダミーデータで行い、業務利用では組織の規定も確認してください。必要以上に大きいフォルダーを登録しない、外部URLの読み取りとブラウザー操作を区別する、MCP連携は用途を決めてから追加する、といった順序が安全です。Antigravityの権限エンジンはDeny、Ask、Allowを扱い、macOS/LinuxではDenyが優先されます。公式:権限ルール。
ブラウザー操作も可能ですが、初回からログイン済みの管理画面で公開・購入・削除を任せる必要はありません。まず読み取りやローカルのテストから試し、実際の変更内容を確認してから権限を広げます。ブラウザー機能の対象と動作は公式:Browser overviewで確認できます。
エージェントを速くするより、再確認しやすくする
毎回の依頼を短くしたいなら、プロジェクト内にテストコマンド、コード規約、変更禁止ファイル、完了条件をまとめておくと効果的です。ただしルールファイルも「守られるはず」と思い込まず、結果の差分とテストで確かめます。公式:Rules。
利用枠と費用を確認する:/usageと/creditsの違い
「今あとどれだけ使えるか」と「追加でお金がかかる設定か」は別に確認します。Google公式のプラン説明では、無料・Plusは週次更新の枠、ProとUltraは5時間ごとの枠と週次上限が示されています。消費量は質問回数で一律ではなく、エージェントが行った作業量によって変わります。固定の「何回使える」という数字で判断しないでください。公式:Plans。
| 知りたいこと | 確認場所 | 見る値 |
|---|---|---|
| モデルごとの残り枠 | CLIで/usage(/quota)/2.0のモデル選択メニューの「View Usage」やSettings | 対象モデルの残り枠、更新タイミング |
| 購入済み追加クレジット | CLIで/credits/Googleアカウントのクレジット管理 | 残高、当期の消費履歴 |
| 枠を超えた後に自動消費するか | AI Credit Overages設定 | 「Never」か「Always」 |
| 月額と請求 | Google AIプランの契約・支払い画面 | 現在契約しているプラン、請求履歴、追加クレジット |
/usageはモデル構成と残り枠を更新して対話パネルに表示します。/creditsは追加AIクレジットの残高・消費履歴を見るための別パネルです。したがって/usageに表示される枠の残量を、そのまま「今月の円建て請求額」と読まないことが重要です。公式:/usage、公式:/credits。
Pro/Ultraでは基本枠を使い切った後のAIクレジット超過利用を設定できます。予期しない追加消費を避けたいなら「AI Credit Overages: Never」を選びます。「Always」だと基本枠枯渇後、保有する追加クレジットを自動で使います。請求やクレジット単価は契約内容と変動する可能性があるため、円価格を本記事で固定しません。公式:PlansのOverages。
「GeminiのAPI料金」と混同しない: AntigravityをGoogleアカウントで使う場合のプラン・クレジットと、Gemini APIを自分のアプリから呼ぶ際の課金は別の判断です。仕事用に導入するときは、どの製品の請求画面を見ているかを確かめてください。
よくある質問とつまずき
Q. モデル欄にGemini 4が出ないのはなぜ?
発表されたモデルが直ちにAntigravityへ提供されるとは限りません。執筆時点の公式モデル表にGemini 4 Argonは掲載されていません。モデル選択欄に表示される候補を確認してください。
Q. geminiとagyのどちらを打つ?
現在のAntigravity CLIを起動するコマンドは agy です。以前のGemini CLIから移る場合は公式の移行ガイドがあります。
Q. agyが見つからない。
新しいターミナルで再試行し、インストール先とPATHを確認します。macOS/Linuxの標準配置は ~/.local/bin/agy です。公式のインストール・認証ガイドを参照してください。
Q. コマンド実行で止まる。
権限確認の可能性があります。/permissionsと提示された操作を見て、必要なものだけ承認します。2.0のArtifact review policyのRequest reviewと、permission presetのRequest Reviewは別の設定です。
Q. Claude Codeの契約があればAntigravity内のClaudeを無制限に使える?
いいえ。Antigravity内で選べるモデルと利用枠はGoogle側のプラン・設定で確認します。公式:Models、Plans。
まとめ:まず画面と利用枠を確認し、普段の作業へ使う
Antigravityの入口を選んだら、モデル選択→/usageで残り枠→Planning modeや/planで作業方針→/diffとArtifact Reviewで結果確認の順に操作すると迷いません。追加費用が気になるなら /credits とAI Credit Overagesの設定を別に確認します。
CodexやClaude Code利用者にとっての違いは、Antigravityが計画と生成物をArtifactとしてレビューする導線を強く持つことと、Googleのプラン内で複数のモデル群を選べることです。使い慣れた自分のリポジトリで一つの実作業を頼み、選択したモデル、残り枠、差分、承認の流れを確認してみてください。
編集注:2026年10月4日時点のGoogle公式ドキュメントに基づく解説です。本記事は公式資料に基づく操作ガイドであり、筆者がAntigravityの実機で各操作を確認したという主張ではありません。


