パスキーの設定方法まとめ|Google・Apple・Microsoftアカウントを安全にする手順【2026年】
フィッシングやパスワードの使い回しから大事なアカウントを守る、いちばん確実な方法が「パスキー」です。この記事では、Google・Apple・Microsoft の公式ヘルプをもとに、パスキーの作り方、使い方、スマホをなくしたときの備えまでを、初めての方向けに順番に解説します。
結論:まずは「メールのアカウント」からパスキーにする
パスキーは、パスワードの代わりに、スマホやパソコンの指紋・顔認証・画面ロックでログインする仕組みです。登録したサイト(ドメイン)でしか使えないため、見た目がそっくりな偽サイトでは、そもそも使えません。
Microsoft の2026年の報告では、パスワードを狙う攻撃が前年から26%減っており、多要素認証やパスキーの普及が理由とされています。一方で、確認コードごと盗む中継型のフィッシングは増えています。パスキーは、この中継型の手口にも強いのが特徴です(詳しくはフィッシング対策の記事を参照)。
何から始めるかは、次の順番がおすすめです。
- Google アカウント(Gmail・Google ドライブ・Android の入口)
- Apple アカウント(iPhone・iCloud の入口。パスキーの保存先でもあります)
- Microsoft アカウント(Outlook・Windows・Microsoft 365 の入口)
この3つは、他のサービスのパスワード再設定にも使われる「大元」のアカウントです。ここを守ると、被害の連鎖を止められます。
始める前に確認する3つのこと
1. 端末に画面ロックをかける
パスキーは、端末のロック解除(指紋・顔・PIN)で本人確認をします。画面ロックがオフの端末では使えません。
2. OS とブラウザが新しいか
Google の公式ヘルプでは、次の環境が必要とされています。
- パソコン:Windows 10、macOS Ventura、ChromeOS 109 以降
- スマートフォン:Android 9、iOS 16 以降
- ブラウザ:Chrome 109 以降、Safari 16 以降、Edge 109 以降、Firefox 122 以降
3. Apple の端末では iCloud キーチェーンと2ファクタ認証をオンにする
Apple の公式ガイドには、「パスキーを使うには、iCloudキーチェーンと2ファクタ認証がオンになっている必要があります」と書かれています。パスキーは暗号化されて iCloud キーチェーンに保存され、同じ Apple Account でサインインしているすべてのデバイスで使えます。
最初のうちは、他のログイン方法を残しておく
パスキーを作っても、パスワードや確認コードでのログインは、すぐには消さないでください。慣れて、複数の端末で動作を確かめてから、段階的に減らします。Microsoft の公式ヘルプも、パスキーを削除する前に、新しいサインイン方法を追加しておくよう案内しています。
Google アカウントのパスキーを作る
Google の公式ヘルプにある手順です。スマートフォンでもパソコンでも、同じ流れです。
- myaccount.google.com/signinoptions/passkeys を開きます(本人確認を求められることがあります)
- 「パスキーを作成する」を選び、「パスキーを作成」をタップします
- 端末のロックを解除します
複数の端末で使う場合は、各端末で同じ手順を繰り返します。
ログインのしかた
- Google のログインページでユーザー名を入力します
- パスキーの候補が出たら選びます
- その端末のロックを解除して、本人確認をします
パソコンで、スマホに保存したパスキーを使う場合:「別の方法を試す」→「パスキーを使用」を選ぶと QR コードが出ます。スマホで読み取り、「パスキーを使用してログイン」(iPhone・iPad では「パスキーでログイン」)をタップして、指紋・顔認証または PIN で本人確認をします。
確認と削除
登録済みのパスキーは、同じページで確認できます。手動で作成したパスキーを消すときは、Google アカウントの「セキュリティとログイン」→「パスキーとセキュリティ キー」を開き、対象を選んで削除アイコンを押します。
Apple(iPhone)でパスキーを使う
Apple のパスキーは、各サイトやアプリが対応していれば、そのサイトのログイン画面から作成・保存します。Apple アカウント自体のログインとは別の話なので、混同しないようにしてください。
パスキーの作り方(iPhone)
- iPhone で、パスキーに対応するサイトやアプリのサインイン画面を開きます
- 新規登録なら、画面の案内に従って進めます。既存のアカウントなら、いつもの方法でサインインして、アカウント設定の画面へ進みます
- パスキーの保存オプションが出たら、「続ける」をタップします
作ったパスキーは、iPhone の「パスワード」アプリに保存されます。パスキーのオプションが出ない場合、そのサイトやアプリはまだパスキーに対応していません。
ログインのしかた
- サインイン画面で、アカウント名の欄をタップします
- 表示されたアカウント名の候補をタップします
- Face ID または Touch ID で認証します(未設定なら、端末のパスコード)
自分のものではないパソコンでログインする
図書館や友人のパソコンなど、自分の Apple Account につながっていない端末でも、手元に iPhone があればログインできます。そのパソコンのサインイン画面で、「その他のオプション」や「近くのデバイスからのパスキー」を選んで QR コードを出し、iPhone のカメラで読み取ります。
iCloud キーチェーンをオフにすると
iCloud キーチェーンをオフにすると、パスキーはその端末の中にだけ残り、他の端末とは同期されなくなります。複数の Apple 製品で使うなら、オンのまま使うのが前提です。
Microsoft アカウントのパスキーを作る
個人用の Microsoft アカウントは、次の手順です(Microsoft の公式ヘルプより)。
- パスキーを作る端末のブラウザで、account.live.com/proofs/manage を開き、「高度なセキュリティ オプション」にサインインします
- 「新しいサインイン方法の追加」を選びます
- 「Face」「フィンガープリント」「PIN」「セキュリティ キー」から選びます
- 画面の指示に従い、保存先を選びます
保存先には、次の4つがあります。
- パスワード マネージャー(同期型。複数の端末で使える)
- iPhone、iPad、または Android デバイス
- セキュリティ キー(物理的なキー)
- Windows デバイス/Windows Hello(その Windows 端末の中だけ)
複数の端末で使いたい場合は、同期型の「パスワード マネージャー」を選ぶのが基本です。「Windows Hello」を選ぶと、そのパソコンでしか使えません。
職場・学校のアカウントは、会社のルールが先
職場・学校のアカウントは、組織がパスキーを許可している場合にだけ作れます。セキュリティ情報のページ(mysignins.microsoft.com/security-info)で「サインイン方法の追加」から設定しますが、選べる方法は組織によって制限されます。詳しくは IT 管理者に確認してください。
うまくいかないときの確認
- パスキーの候補が出ない/「使用できるパスキーがありません」と出る:端末の画面ロック(顔・指紋・PIN)が有効か確認します(Microsoft のトラブルシューティング)
- スマホのパスキーを、パソコンで使えない:スマホとパソコンの両方で Bluetooth をオンにします。QR コードで接続するときに必要です(Google・Microsoft の公式ヘルプ)
- Apple の端末で、パスキーが他の端末に出てこない:iCloud キーチェーンがオンか、同じ Apple Account でサインインしているか確認します。同期の不具合はiCloudキーチェーンが同期されないときの解決ガイドが参考になります
- ブラウザが古い:Chrome・Safari・Edge・Firefox を最新にします
スマホをなくしたら、パスキーはどうなる?
パスキーの保存先によって、備え方が違います。
- iCloud キーチェーン(Apple):パスキーは同じ Apple Account の他のデバイスにも同期されます。復旧には、Apple Account のパスワード、SMS の応答、端末のパスコードが必要で、認証を試せるのは10回までです(Apple の公式資料)。別のデバイスや、アカウント復旧用の連絡先を、事前に設定しておきます
- Google のパスキー:端末ごとに作った場合は、残りの端末で使えます。なくした端末のパスキーは、Google アカウントの「セキュリティとログイン」→「すべてのデバイスを管理」から、該当デバイスをログアウトします
- Microsoft のパスキー:同期型のパスワード マネージャーに保存していれば、別の端末からもログインできます。account.live.com/proofs/manage で、保存場所の確認、名前の変更、削除ができます
備えの基本
大元のアカウント(メール・Apple・Google・Microsoft)は、パスキーを2台以上の端末に作っておく、復旧用の連絡先やセキュリティ キーを設定しておくの2つをやっておくと、端末を1台なくしても、アカウントを失いにくくなります。
よくある質問
Q. パスキーにしたら、パスワードは要らなくなりますか?
パスキーに対応したサイトでは、パスワードなしでログインできます。ただし、すべてのサイトが対応しているわけではなく、対応していないサイトでは、引き続きパスワードと多要素認証が必要です。
Q. 指紋や顔のデータが、サイトに渡りますか?
渡りません。指紋や顔は、端末の中でのロック解除に使うだけです。Apple の資料では、サイトには公開鍵が保存され、秘密鍵は端末に残る、と説明されています。
Q. 家族と共有しているパソコンで使っても大丈夫ですか?
端末のロックを解除できる人は、その端末に保存されたパスキーを使えます。共有のパソコンには、自分のパスキーを保存せず、手元のスマホの QR コードで、その都度ログインする方法がおすすめです。
Q. パスワード管理アプリを使っていても、パスキーにする意味はありますか?
あります。パスワード管理アプリは、パスワードの使い回しを防げますが、偽サイトに自分で入力してしまう危険は残ります。パスキーは、偽サイトでは使えません。
まとめ
- パスキーは、指紋・顔・画面ロックでログインする仕組みで、偽サイトでは使えないため、フィッシングに強い
- まずは Google・Apple・Microsoft の「大元のアカウント」から作る
- 最初は、他のログイン方法を残したまま、2台以上の端末に作っておく
- Apple 端末は、iCloud キーチェーンと2ファクタ認証がオンであることが前提
今日の一歩として、普段使っている Google アカウントのパスキーのページ(myaccount.google.com/signinoptions/passkeys)を開き、「パスキーを作成」を試してみてください。数分で終わります。
パスワードマネージャーの選び方
パスキーに対応していないサービスの管理には、パスワードマネージャーが役立ちます。Bitwarden・1Password・Apple・Proton Pass・KeePassXCを、公式情報で比較したパスワードマネージャーの選び方もあわせてどうぞ。


