GSCのCSVをAIで分析するときは、最初に「どの期間を比べているか」をそろえると、改善案を選びやすくなります。この記事では、前の28日間との比較から、既存記事の修正・関連記事への案内・新しい記事の候補を考える手順を紹介します。
このブログの分析でも、エクスポートしたフォルダの日付と、CSVに入っている最終日を分けて確認しました。ファイル名が「平均読み込み時間のチャート.csv」でも、中身は検索クリック・表示回数の日別データでした。名前だけで内容を決めつけないことが、最初の学びでした。
この記事の到達点:AIから出た案をそのまま採用せず、根拠の期間と数字を確かめて「今月直す記事」を選べるようにすることです。下の数値例と付属スクリプトのデモは、学習用の架空データです。
1. 必要なCSVと集計条件をそろえる
Search Consoleの検索パフォーマンスから、日別推移、ページ、クエリ、デバイス、フィルタ情報を保存します。直近28日と前の28日を比べるには、少なくとも56日分の日別データが必要です。検索タイプ、国、端末などの条件も記録します。
- 日別:日付・クリック数・表示回数から、同じ長さの期間を比べる。
- ページ別:どのURLが検索の入口になっているかを見る。
- クエリ別:読者がどんな言葉で探しているかを知る。
- デバイス・フィルタ:PCとスマホの違いや、比較条件のずれを確認する。
CSVをAIに渡す前に、顧客名や非公開URLなど、共有したくない情報が含まれていないかを確認します。操作するAIのファイル添付機能や、許可した作業フォルダを使ってください。指標とレポートの操作はGoogle公式の検索パフォーマンス案内で確認できます。
2. 前の28日間と比較する
たとえば最終日が9月3日なら、直近28日は8月7日〜9月3日、前の28日は7月10日〜8月6日です。エクスポートした日を末尾日にせず、CSVの実際の日付を使います。最新日が暫定値なら、確定した日までに範囲をそろえます。
| 架空の例 | 前の28日 | 直近28日 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 検索クリック | 2,800 | 3,360 | +20.0% |
| 表示回数 | 56,000 | 61,600 | +10.0% |
| CTR | 5.00% | 5.45% | +0.45ポイント |
CTRは「期間のクリック合計÷期間の表示回数合計」です。日ごとのCTRを平均すると、表示回数が少ない日と多い日を同じ重みで扱ってしまいます。上の例では3,360÷61,600×100=約5.45%になります。
また、GSCのクリックはGoogle検索からのクリックです。サイト内のPVやAmazonの売上とは別の指標です。PVはGA4などで確認します。
3. AIに渡す依頼文と、集計を再現する方法
以下をコピーし、CSVと一緒に渡せます。何を計算し、何を断定しないかを先に指定するのがポイントです。
添付したGoogleサーチコンソールのCSVを分析してください。
目的は検索流入とPVの増加です。最終的な収益化も意識します。
1. まず全ファイルの列名・行数・集計期間・検索タイプとフィルタを確認。
2. 日別データの末尾日を明示し、連続した直近28日と前の28日を比較。
欠けた日があれば0として補完せず、私に報告。
3. CTRはクリック合計÷表示回数合計で計算。日別CTRの単純平均は禁止。
4. ページとクエリが別集計の場合、両者の対応を推測で断定しない。
5. 記事別の28日比較データがなければ、不足していると明示。
6. 既存記事の改善3件、関連リンクの案3件、新規記事の仮説2件を選ぶ。
各案に対象URL、根拠の数値と期間、変更案、検証指標を付ける。
7. GSCクリックをPVや売上と呼ばない。成長率や収益の予測を捏造しない。
私の興味や学習記録としての価値も残してください。
最初は分析案を出し、記事や公開サイトは変更しないでください。Pythonで同じ数値を確認する
28日比較の学習用サンプルをダウンロード(ZIP)には、Python 3.9以降で動くスクリプトと説明書を入れています。追加ライブラリは不要です。ネットワークへ送信せず、指定したCSVを読み取って結果を表示します。Pythonが未導入の場合は、上の依頼文だけでも分析を始められます。
python3 gsc_compare.py --demo
python3 gsc_compare.py --csv "日別データ.csv"
python3 gsc_compare.py --csv "日別データ.csv" --end 2026-09-03Windowsでpython3が使えない環境では、導入済みのPythonランチャーに合わせて py -3 に置き換えます。デモでは、前の28日は毎日100クリック・2,000表示、直近28日は毎日120クリック・2,200表示として計算し、上の表と同じ結果になります。
日付の重複・56日間の欠落・負の件数があれば停止します。表示回数が0の場合のCTRはnull、比較元が0の場合の増減率もnullで返します。ページ別CSVを日別CSVとして渡すと、必要な列がないことを知らせます。
4. 数字から改善する記事を選ぶ
まず既存の検索入口を見つけ、本文を読んで「読者が次に何をしたいか」を考えます。次のような順で、数値とページの中身を組み合わせて判断します。
- 検索されていて内容に不足がある:設定手順や失敗時の確認を補う。
- 入口は強いが次の実践に進めない:関連する具体的な作業例へリンクする。
- 既存記事では解決できない疑問がある:役割が重複しない新しい記事を試す。
出力例は「対象URL/集計期間/クリック・表示回数/本文で確認した不足/変更案/測る指標」の6項目にそろえると、後から見直せます。低CTRという数字だけでタイトル変更を決めず、順位、端末、検索意図も確認します。
ページ別とクエリ別のCSVは、そのまま結合できません。「ある検索語のCTRが低い」ことと「あるページのCTRが低い」ことだけでは、その検索語がそのページを表示したと断定できません。GSCで対象ページを絞り、その状態のクエリと期間比較を取り直します。
3か月合計のCSVを2回保存して、その差を「直近28日の伸び」とするのも避けます。期間の先頭から外れた日と、末尾に追加された日が混ざるためです。日別の元データか、期間をそろえた比較レポートを使います。クエリ一覧も、匿名化や行数上限により全検索を網羅しない場合があります。詳しくはGoogle公式ヘルプからリンクされているデータの説明を確認してください。
5. 改善記録を次の学習教材にする
変更前の数字、変更日、追加した見出しやリンク、次に見る指標を1行ずつ残します。検索入口はGSCクリック、回遊はGA4の内部リンククリックや1セッション当たり表示回数、購入への案内はAmazonクリックとして分けて評価します。
変更後28日程度を最初の見直しの目安にできますが、それだけで効果が確定するわけではありません。曜日・季節・検索順位の変化もあるため、前後の差をすべて施策の成果にしないことが大切です。表示回数が少ない新記事は、まず検索に出ているか、読者の疑問に答えられているかから確認します。
表として残したい方はCodexでExcelの表・数式・グラフを作る実践例へ。定期的にチームで共有する仕組みを学ぶならGoogleスプレッドシートをMCP・API・Webhookで操作する方法が次の教材になります。
仕様の確認日:2026年9月6日。アイキャッチは検索データの分析を表すイメージイラストです。
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