OpenAIのdots(ドッツ)とは?常時稼働のAIエージェントでできること・料金・使い方と注意点【2026年9月】

丸いキャラクターとクラウドコンピューター、チャット吹き出しのイラスト
AIエージェント解説

OpenAIのdots(ドッツ)とは?常時稼働のAIエージェントでできること・料金・使い方と注意点【2026年9月】

OpenAIは2026年9月29日のDevDay 2026で、ChatGPTの新機能「dots」を発表しました。GPT-6 Astraを搭載し、専用のクラウドコンピューターを持つ「常時稼働のAIエージェント」で、話しかけていない間も、あなたの目標に向けて作業を続けます。この記事では、OpenAIの公式発表とヘルプセンターの内容をもとに、dotsで何ができるのか、どのプランで使えるのか、始め方、そして「勝手に動くAI」に任せる前に知っておきたい安全面の仕組みと注意点をまとめます。

1. dotsとは?3行でわかる新しいAIの使い方

24時間目標に向けて
作業を続ける
4,000以上プラグインで
接続できるアプリ
追加料金なし最初の1体は
Pro等のプランに含まれる
  1. 「話しかけたときだけ答えるAI」から「任された仕事を進め続けるAI」へ。dot(1体のエージェント)に目標と、自分で進めてよい範囲を伝えると、会話の合間にも作業を進め、結果や判断が必要なことをあなたに知らせてきます
  2. 自分専用のパソコンを持っています。各dotは専用のクラウドコンピューターとブラウザーを使い、必要ならコードを書いてテストもします。いつでもそのコンピューターを開いて、作業の様子を確認できます
  3. どこからでも話しかけられます。ChatGPT(ウェブ・デスクトップ・モバイル)のほか、SlackやMicrosoft Teamsからも連絡でき、チャネルをまたいで話の流れを引き継ぎます。音声通話で相談することもできます

OpenAIは、dotを「新入社員に用意するのとほぼ同じ環境を持って仕事を始める」存在と説明しています。専用のID、クラウド上のコンピューター、専用ブラウザーを持ち、一緒に働くほど、あなたの好みや求める仕事の質を学んでいく、という位置づけです。

普通のChatGPTの会話と何が違うのか

項目いつものChatGPTdot
動くタイミング質問したときだけ会話の合間もバックグラウンドで作業。定期タスクや「プロアクティブリサーチ」も行う
作業環境会話の中専用のクラウドコンピューターとブラウザー
仕事の単位1回のやり取り目標や継続的な役割(例:顧客の要望を拾って修正案を出し続ける)
連絡手段ChatGPTのアプリChatGPT、Slack、Teams(テキストメッセージは米国で限定ベータ)
記憶ChatGPTのメモリChatGPTのメモリに加え、接続したアプリから自分でメモを作る
搭載モデル選択したモデルGPT-6 Astra

2. dotsでできること:公式が紹介する5つの活用例

OpenAIの発表では、職種ごとの使い方が紹介されています。どれも「dotが途中まで進め、人が最後に確認・承認する」形になっている点がポイントです。

職種dotがやること人がやること
アプリ開発者顧客のフィードバックから繰り返し出る要望を見つけ、小さな改善やバグ修正を実装・テストし、変更点の動画付きでレビュー可能なPR(プルリクエスト)を用意するPRをレビューしながら、次の主要機能の開発を続ける
製品ローンチの責任者製品の仕様が変わったら、伝え方への影響を検討し、ローンチ資料や素材の変更案を用意する戻ってきたら、方向性に沿った計画をレビューする
研究者新しいデータが届くと分析を再実行し、予想外の結果を調べ、論文用の図表を更新する確認が必要な点をチェックする
営業責任者顧客の要件を製品ドキュメントと照らし合わせ、未検証の項目を洗い出し、連携機能の概念実証を作る。要件が変わると提案書を更新する顧客との対話に集中し、約束する内容を承認する
コンテンツクリエイターインタビューの文字起こしから切り抜き向きの場面を探し、概要をまとめ、SNS投稿の下書きを作る下書きを承認する。修正は関連素材全体に反映される

OpenAI社内での使われ方としては、「Slackでバグが報告されるとdotが調査を始める」「新しいデザインが届くと、dotが動くアプリに仕上げる」といった例が挙げられています。また、社外の初期テスターのdotが、テスター本人が請求を忘れていたことに気づき、請求書を作って、本人の承認後に送った、という事例も紹介されています。

自分のパソコンを使わせることもできる(初期設定はオフ)

dotは基本的に自分のクラウドコンピューターで作業しますが、ChatGPTのデスクトップアプリから許可すると、あなたのパソコンのファイルを使って作業させることもできます。許可すると、CodexやChatGPT Workのタスクを作ったり、クラウドのブラウザーがブロックされたときに手元のブラウザーを使ったりできるようになります。いつでも「アクセスを取り消す」で止められます。

3. 料金と対象プラン

プランdotsの提供状況(2026年9月29日発表時点)
Pro(個人向け)対象地域で順次提供開始。最初の1体は追加料金なし
Business Premium順次提供開始。最初の1体は追加料金なし
Enterprise(Edu・Healthcareを含む)ワークスペースの管理者が有効にすると、ベータ版を試せる
無料版・Go・Plus対象外
18歳未満利用できない

ChatGPTの日本語の料金ページでは、Proは月額16,800円からで、「3段階から選べる利用枠」と「常時稼働のエージェントDot」がPlusとの違いとして書かれています(2026年9月30日時点)。

料金の仕組みのポイント

  • 最初のdotはプランに含まれる:追加料金はかかりません。より高度な作業のための利用枠もプランに含まれ、提供開始後の最初の1か月はその上限が拡大されます
  • dotとの会話は、ChatGPTの利用上限にカウントされない:ただし、dotにCodexやChatGPT Workのタスクを始めさせた場合、そのタスクは通常どおり利用上限にカウントされます
  • 今後は追加購入が可能になる予定:dotを増やしたり、1体の作業速度や月あたりの作業量を増やしたりできるようになる予定です。価格は発表されていません

日本で使えるかは、アカウントで確認を

公式発表は「対象地域(eligible markets)」とだけ書いており、国の一覧は確認できませんでした。複数の海外報道によると、Proで対象外なのは欧州経済領域(EEA)・スイス・英国とされています。日本の料金ページにはProの特典としてDotが載っていますが、機能は段階的に公開されているため、実際に使えるかはChatGPTのデスクトップアプリで確認してください。

4. dotの始め方と基本操作

作成する

  1. ChatGPTのデスクトップアプリ(Windows版もあり)か、パソコンのブラウザー版ChatGPTを開く。スマートフォンでは作成できません
  2. 画面の案内(オンボーディング)に沿ってdotを作る。名前を付けると、ハンドルが @あなたの名前-エージェント名 になります(名前を付けない場合は @あなたの名前-dot)
  3. 見た目は、用意されたキャラクターかペットから選べます
  4. 使いたいアプリをプラグインでつなぐ。つないだら、dotの自己紹介を聞いてみる

作成後は、ChatGPTのモバイルアプリからもメッセージを送れます(モバイルのブラウザー版は非対応)。SlackやTeamsなどの連絡手段の設定は、デスクトップから行います。

仕事を頼む

普段のChatGPTと同じように、やってほしいことと必要な情報を伝えます。ファイルや写真は「+」から添付できます。

毎朝8時にカレンダーを確認して、今日の予定と準備が必要なものを教えて

このリポジトリに届いたIssueを見て、小さなバグなら修正案のPRを作って。
マージはしないで、私のレビュー待ちにして

来週の打ち合わせ相手の会社について、最近のニュースと製品の変更点を調べておいて

定期的な作業は「毎朝〜して」のように頼むと、スケジュール済みタスクとして登録されます。dotのプロフィールにある「進行中」「スケジュール済み」「完了」で、作業の状況を確認できます。

止める・リセットする

  • 一時停止:dotのプロフィールの「•••」メニューから「一時停止(Pause)」。再開もここから
  • リセット:同じメニューの「リセット(Reset)」で、dotと、その会話・保存した記憶・スケジュール済みタスクが削除されます

5. 「勝手に動く」ことへの安全の仕組み

dotsは、あなたが見ていない間も動きます。そのため、OpenAIは何重もの制限を用意しています。

① 操作ごとに「任せる・承認・自分でやる」が決まっている

操作の例既定の扱い
パスワードの変更、送金必ずあなた自身が操作する(dotは交代を求める)
データの完全削除、ソフトウェアのインストールそのつど承認が必要な場合がある
定期的なメッセージ送信など事前の承認で済ませられる場合がある
加盟店サイトに保存したカードでの購入承認が必要(その購入を具体的に対象にした事前承認も可)

「カスタムルール」で、操作ごとに「確認せずに実行」「事前承認があれば実行」「実行前に確認」「あなたに引き継ぐ」を設定できます(例:「メールは絶対に送らない」)。ただし、パスワード変更時に引き継ぐといった中核の安全要件は、カスタムルールでも解除できません。1通のメッセージを承認しても、それ以降あなたの代わりに連絡し続けてよい、という許可にはなりません。

② 実行前の自動チェック(自動レビュー)

アカウントに影響する操作や情報を共有する操作の前に、「自動レビュー」があなたの指示・カスタムルール・安全要件と照らし合わせます。たとえばメールを送る前に、宛先と内容を確認し、宛先の間違いや意図しない情報の共有を防ぎます。この自動レビューは、dot自身が無効にすることはできません。

③ バックグラウンドの調査は「読むだけ」

頼まれていないときに役立つ情報を探す「プロアクティブリサーチ」では、ツールが読み取り専用に制限されています。人へのメッセージ送信、アプリ内の内容の変更、ブラウザーやコンピューターの操作はできません。

④ パスワードをモデルに見せない

対応しているサイトへのログインでは、dotが一時停止し、あなたが安全なログインフォームに入力します。認証情報はブラウザー環境に直接渡され、モデルには見えません。ただし、チャットや文書で別途伝えたパスワードは、この保護の対象外です。

⑤ プロンプトインジェクション対策

ウェブサイトやメールに「この情報を送れ」といった悪意のある指示が紛れ込む「プロンプトインジェクション」に対し、dotはあなたの指示と作業中に読んだ内容を区別するよう設計されています。OpenAIは、これらの対策は「リスクを減らすが、なくすものではない」と明記しています。

6. 使う前に知っておきたい注意点

注意点内容
記憶を個別に消せないdotが覚えた内容を、1件ずつ見たり、消したり、直したりすることは現時点ではできません。消すには、dot自体をリセット(削除)する必要があります
アプリの接続を切っても、取り込んだ情報は残る接続を切ると新しい情報の取得は止まりますが、すでにdotが取り込んだ情報は消えません
ChatGPTとメモリを共有するdotはChatGPTのメモリを受け取り、dotとの会話もChatGPTのメモリに反映されます。ChatGPTでメモリをオフにすると共有は止まりますが、すでに受け取った情報は消えません
学習への利用(個人プラン)個人向けプランでは、「すべての人のためにモデルを改善する」の設定に従って、dotの会話や作業、接続アプリのデータが学習に使われることがあります。Business・Enterprise・Eduは既定で学習に使われません
人によるレビューの可能性学習をオフにしていても、安全に関わる場合など限られた状況では、OpenAIの関係者が確認することがあります
取り消せない操作がある送ったメッセージなど、アプリによっては元に戻せない操作があります。dotに修正を頼めることもありますが、万能ではありません
間違えることがあるOpenAI自身が「dotは間違えることもあるため、重要な影響を伴う作業は必ず確認してください」と書いています

発表前後に報じられた安全面の話題

米NBC Newsは、dotsの発表を「安全性の疑問が残る中での公開」として報じています。同じ週にOpenAIは、次のモデル「GPT-6.1 Astra」の公開を見送ったと発表しました。報道によると、安全部門の責任者は、他の指標は改善したものの「作業範囲と権限の内側にとどまる」点で基準に届かなかったと説明しています。dotsに搭載されているのは、その前のGPT-6 Astraです。

こうした経緯からも、最初はアクセスさせるアプリを最小限にし、送信や購入などの操作は「実行前に確認」に設定しておくのが無難です。

7. 他のサービスとの違い

サービス主な用途dotsとの違い
ChatGPTのスケジュール済みタスク決まった時間に決まった作業dotは目標を持ち、状況を見て次にやることを自分で判断する
Codexコーディング作業dotはCodexのタスクを作って任せる側にもなれる。対象はコード以外の業務全般
ChatGPT WorkデスクトップでのPC作業dotは常時稼働で、SlackやTeamsからも依頼でき、バックグラウンドで作業を進める
MetaのMuse常時稼働のエージェント報道では、dotsはMuseへの対抗と位置づけられている。詳細な比較は、各社の公式情報がそろってから確認が必要

TechCrunchは「機能の多くはすでにCodexで実現できた」とも指摘しています。新しいのは、個別の機能というより、1つの「担当者」として目標を持たせ、どこからでも連絡でき、常に動き続けるという使い方の形だと言えます。

企業向けの「専門dot」

個人の代わりに働くdotとは別に、組織の特定の業務(調達、請求書処理、メールマーケティング、カスタマーサポートなど)を担う「専門dot」の限定プレビューも発表されました。企業が各dotに固有のIDと認証情報を設定し、必要なシステムへのアクセスを与える形です。MicrosoftのAgent 365と統合し、既存の管理ツールで管理できるようにする取り組みも進んでいます。

8. よくある質問(FAQ)

Q. Plusプランでは使えませんか?

A. 発表時点では使えません。対象はPro・Business Premium、そして管理者が有効にしたEnterpriseです。OpenAIはdotsを計算資源を多く使う「プレミアムな製品」と位置づけており、報道によると、より手頃な版は将来の計画とされています。

Q. dotから電話がかかってきますか?メールアドレスは持てますか?

A. 公開時点では、dotから電話をかけることはできません(あなたから音声通話で話しかけることはできます)。自分の個人メールをつないで作業に使わせることはできますが、dot専用の独立したメールアドレスを持たせることはできません。

Q. dotは何体まで作れますか?

A. 現時点では、最初の1体がプランに含まれます。今後、dotを追加できるようにする予定と発表されていますが、時期と価格は未定です。

Q. やめたくなったらどうすればいいですか?

A. 一時停止すれば作業は止まります。完全にやめる場合はリセットします。リセットでdotの会話・記憶・スケジュール済みタスクは消えますが、dotが作ったファイル、Codexのスレッド、ChatGPTの会話は別の場所に保存されているため残ります。

9. まとめ

この記事のポイント

  • dotsは、GPT-6 Astraを搭載し、専用のクラウドコンピューターを持つ常時稼働のAIエージェント。目標を与えると、会話の合間にも作業を進める
  • ChatGPT・Slack・Teamsから連絡でき、4,000以上のアプリにつなげる
  • 対象はPro・Business Premium(Enterpriseはベータ)。最初の1体は追加料金なし、dotとの会話はChatGPTの利用上限にカウントされない
  • パスワード変更や送金は必ず本人が操作。カスタムルールや自動レビューで、任せる範囲を細かく決められる
  • 記憶を個別に消せない、接続を切っても取り込んだ情報は残る、といった点は使う前に理解しておく

Proを使っている人は、まずデスクトップアプリでdotを作り、カレンダーなど影響の小さいアプリを1つだけつないで、「毎朝の予定確認」のような読むだけの仕事から任せてみるのがおすすめです。慣れてきたら、承認を挟む形で、少しずつ任せる範囲を広げていきましょう。

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