Grok Botのスキルとルーティンの使い方|定期実行・Slack・Webhookで仕事を自動化する手順

Grok Botのルーティンとスキルの使い方|定期実行・Slack・Webhookの設定手順のイメージ
AIエージェント

Grok Botのスキルとルーティンの使い方|定期実行・Slack・Webhookで仕事を自動化する手順

Grok Botは、頼んだ仕事を1回こなすだけでなく、その手順を「スキル」として保存し、「ルーティン」で決まった時刻や出来事をきっかけに繰り返し実行できます。この記事では、公式ドキュメントに沿って、1回の作業 → スキル化 → 定期実行の順に設定する手順と、自動で動かすときに決めておくべき「止める場所」、利用枠を減らさないための注意点をまとめます。

先に結論:スキルは「やり方」、ルーティンは「いつやるか」

Grok Botは、Cursor(AIコードエディタの会社)のアカウントで使う、クラウド上の専用パソコンで作業するAIエージェントです。繰り返しの仕事を任せるための部品は2つあります。

スキル(skill)ルーティン(routine)
役割仕事のやり方を保存したもの(手順・判断ルール・出力の形・承認が必要な操作)1つのBotに、いつ仕事をさせるかを決めたもの
きっかけなし(呼び出したときに使う)スケジュール、またはSlack・GitHub・メール・Webhookなどの出来事
使える範囲自分のすべてのBotで共有作ったBotだけが持つ(1つのBotにつき最大50個)
作り方チャットで「今の手順をスキルとして保存して」と頼む担当させたいBotに、チャットで「毎週○曜○時に〜して」と頼む

公式がすすめる順番

いきなり自動化しないことが、公式ドキュメントの基本方針です。①まず1回だけ手で頼む → ②うまくいったやり方をスキルとして保存する → ③スキルをルーティンで定期実行するの順に進めます。1回目の結果を自分の目で確かめてから自動化するので、間違ったやり方が毎日繰り返される事態を防げます。

手順1・2:1回やってみて、スキルとして保存する

まず1回、普通に頼む

最初は、自動化したい仕事を普段どおりチャットで頼みます。結果を確認し、足りない点を直してもらい、「この形なら毎回これでよい」という状態まで仕上げます。

スキルとして保存する

仕上がったら、同じ会話でスキルとして保存するよう頼みます。公式ドキュメントの例文を日本語にすると、次のような頼み方です。

今使った手順を「週次の顧客チェック」という名前のスキルとして保存して。
参照するシステム、リスクの判断基準、出力の形式、
「顧客への連絡は必ず承認を取る」というルールも含めて。

公式ドキュメントでは、役に立つスキルには次の6つが書かれているべきだとしています。保存されたスキルを開いて、抜けていないか確認してください。

  • どんなときに使うか
  • 必要な入力と、アクセス(どのアプリ・ログインが要るか)
  • 作業の順番
  • 結果の確かめ方
  • 何を返すか(出力)
  • 何に承認が必要か

保存したスキルを呼び出す

デスクトップアプリの入力欄で / を打つと、保存したスキルを選べます(@ はBot・グループ・ルーティン・アプリを指定するときに使います)。スキルは自分のすべてのBotで共有される1つのライブラリですが、Botごとに使うアプリやログインが必要な場合があります。

「/」に出てこないとき

サイドバーの Connect apps を開き、タイトル横の接続数を選んで、Private skills で今のBotに対して有効にします。

画面操作を見せて覚えさせる(Teach a task)

ブラウザでの作業は、言葉で説明する代わりに、実際にやって見せて覚えさせることもできます。1対1の会話でBotのパソコン画面を開き、Teach a task を選び、これから見せる作業の結果を説明してから、1回操作します。録画を止めると、Botがスキルを作ります。

  • 記録されるのは画面上の操作で、最大10分です。マイクの音声は記録されません
  • パスワードなどの秘密情報を画面に出さないようにします(ログインはBotに引き継ぐ専用の流れを使います)
  • 作られたスキルは下書きです。1回の操作からは分からない判断ルール、失敗したときの扱い、承認が必要な操作を書き足します

この機能は順次公開されています。ボタンが見当たらない場合は、終わった作業と文章の説明からスキルを作るよう頼んでください。

手順3:ルーティンで定期実行する

ルーティンは、その仕事を担当させたいBotに、チャットで頼んで作ります。公式ドキュメントの例を日本語にすると、次のとおりです。

平日の毎朝8時に、「日次の顧客リスク」スキルを最新の取引先リストに対して実行して。
結果はリンク付きの要注意リストとして、この会話に投稿して。
顧客には連絡しないこと。
元のデータが取得できなかった場合は、古いデータを使わずに失敗したと報告して。

この例には、公式ドキュメントが「作る前に確認すること」として挙げる6項目がすべて入っています。

確認すること上の例では
担当するBotこの会話のBot
スケジュールとタイムゾーン平日の毎朝8時
入力のもと最新の取引先リスト
期待する結果リンク付きの要注意リストを会話に投稿
承認の境界顧客には連絡しない
データがないときの扱い古いデータを使わず、失敗を報告

Botがルーティンを作ると、次の実行時刻が表示されます。ルーティンはクラウドで動くので、ノートPCを閉じていても実行されます。

作ったら確認する3点

  1. 「When to run」の表示:ルーティンを開くと、保存されたスケジュールが文章で表示されます。「毎時」「平日8時」など、意図どおりか確認します。違っていれば Edit を選び、直したい点をBotに伝えます
  2. タイムゾーン:スケジュールは、設定の Bot にある Timezone に従います。自動検出はそのパソコンの設定に合わせます。別の地域の時刻で動かしたいときは、ここでタイムゾーンを選びます
  3. 最初の実行はいつか:新しいルーティンは、作った時点では実行されず、次の予定時刻を待ちます。8時5分に「毎日8時」で作ると、初回は翌日の8時です。すぐ試したいときは Test を使います

Testは「本番と同じ作業」をする

ルーティンを作ったり直したりしたら、Test で1回動かします。ただし、テストでも実際に作業が行われます。サイトの操作、ファイルの変更、つないだアプリの呼び出しも本当に実行され、利用枠も使います。安全な入力で試し、送信などの書き込み操作は承認を挟んだままにしておきます。テストの結果は、そのBotのチャットに表示されます。

公式ドキュメントでは、テスト結果で次の5点を確認するよう案内しています。

  • 最新の入力を使ったか
  • 出力が決めた形式になっているか
  • すべての操作に、根拠か記録があるか
  • 決めた承認の場所で止まったか
  • 失敗したときに、失敗と分かる形で報告されたか

出来事をきっかけに動かす:Slack・Webhook

ルーティンは時刻だけでなく、Slackのメッセージ、GitHub・Linear・Sentry・PagerDutyのイベント、Bot専用アドレスへのメール、Webhookの呼び出しをきっかけに動かすこともできます。

Slackトリガー

Slackトリガーは、Slackアプリ(Botが投稿・閲覧するための連携)とは別のもので、ルーティンの一部です。Botを持っているCursorアカウントでSlackを接続してから使います。きっかけにできるのは次の4種類で、1つのチャンネルか、Slack全体を監視できます。

  • Botがメンションされたとき
  • 特定の単語・フレーズが出たとき
  • メッセージにリアクションしたとき
  • すべてのメッセージ

公式ドキュメントの例を日本語にすると、次のような頼み方です。

#customer-escalations に、サポートチケットのリンクと「needs repro」を含む
メッセージが来たら、チケットを開いて、ステージング環境で問題を再現し、
再現手順をこの会話に投稿して。承認なしにSlackへ返信しないこと。

「すべてのメッセージ」は避ける

実行のたびに利用枠を使います。公式ヘルプは、毎時のスケジュールや、にぎやかなチャンネルのSlackトリガーは1週間分の利用枠を1日で使い切ることがあると注意しています。チャンネルとフレーズはできるだけ絞ります。なお、トリガーを作る前のメッセージでは実行されません。

Webhookトリガー

自分のシステムから呼び出して動かしたいときは、ルーティンにWebhookトリガーを追加するようBotに頼みます。デスクトップでルーティンを開くと、Webhook 欄に3つの項目が表示され、クリックでコピーできます。

項目内容
POST to呼び出し先のURL
key秘密の鍵。送る側は Authorization: Bearer <key> として付けます
header上のヘッダーをそのままコピーできる形にしたもの

このURLに、ヘッダーを付けてHTTP POSTを送ります。JSONの本文も送れて、Botはルーティンの指示と一緒にその本文を受け取ります。

curl -X POST "(POST to のURL)" \
  -H "Authorization: Bearer (key)" \
  -H "Content-Type: application/json" \
  -d '{"order_id": "12345"}'

応答200は「受け付けた」という意味

200が返っても、Botが仕事を終えたわけではありません。実行が始まったという意味です。結果はBotのチャットで確認します。200以外が返ったら実行は始まっていないので、ルーティンが一時停止していないか、今の鍵を使っているかを確認します。鍵は秘密情報なので、公開リポジトリやブログに貼らないでください。

自動で動かすときに決めておく「止める場所」

ルーティンは、あなたが見ていないときに動きます。そのため、どこで人の確認を挟むかを先に決めておくことが大切です。

頼むときに境界を書く

公式ドキュメントは、次の操作には明示的な境界を書くようすすめています:メッセージや招待の送信、公開、購入や送金、データの削除や上書き、権限の変更、本番環境の変更、規約への同意。上の例の「顧客には連絡しない」「承認なしにSlackへ返信しない」がこれにあたります。

Auto-reviewのルールを設定する

Auto-reviewをオンにすると、Grok Botはツールの呼び出しやパソコン操作を実行前に評価します。Settings → General → Auto-review でルールを追加できます。

  • Ask first:一致する操作は、必ずあなたの確認で止まります
  • Allow automatically:一致する操作は、自動の評価が別の理由で止めない限り進みます
  • 両方に一致した場合は、Ask firstが優先されます

ルールは「外部へのメール送信の前に確認する」のように、操作と範囲を狭く書きます。「ブラウザでは全部許可」のような広いルールは避けます。個人のルールはアカウントに保存され、どのデスクトップでもスマホでも同じように効きます。

ルーティンからの承認依頼は、約10分で期限切れ

あなたがいる会話からの承認依頼は、あなたが答えるまで待ちます。一方、ルーティン・トリガー・別のBotからのメッセージなど、あなたが始めていない作業からの承認依頼は、約10分で期限切れ(Expired)になり、その操作は実行されません。続けるにはBotにやり直しを頼みます。夜間や外出中に動くルーティンで承認が必要になると、そこで止まる前提で設計してください。期限切れのカードに出る「今後は常に許可」を選ぶと、その操作は自動許可のルールに追加されます(期限切れの操作自体は実行されません)。追加する前に、本当に自動にしてよい操作か確認してください。

公式がすすめるルーティン設計の原則

  • 実行より先に、準備を自動化する(まず下書き・突き合わせ・提案をさせる)
  • 送信・購入・削除・公開・本番変更は承認を必須にする
  • データがないとき・古いときの扱いを決めておく
  • やり直しても二重に処理されない形にする
  • 途中までしか終わらなかったときの報告先を決める
  • サイトやアプリ、元データの形式が変わったら、テストし直す

ルーティンの管理と上限、よくあるつまずき

見る・止める・消す

デスクトップでは、チャット上部のBot名をクリックして詳細を開き、Details タブの Routines を見ます。行ごとのスイッチで一時停止・再開でき、ルーティンを開くと Pause / Resume、Test、Edit、削除(ゴミ箱アイコン)があります。スマホでは、Botのプロフィールの Routines から、実行履歴(Run history)を見られます。

知っておきたい上限

項目上限・仕様
1つのBotが持てるルーティン最大50個
実行記録ルーティンごとに直近20件
スケジュールの間隔5分以上あける
1時間あたりの実行回数自分のルーティン全体で300回、1つのルーティンで200回
削除すぐに削除され、元に戻せない。Botを消すと、そのBotのルーティンも消える

動かない・失敗するとき

  • まったく動かない:一時停止になっていないか(スマホではActiveがオンか)、When to runが意図したスケジュールとタイムゾーンか、新しいスケジュールが次の予定時刻を待っているだけではないかを確認します
  • 「Automation run rate limit exceeded」で失敗する:上の1時間あたりの上限を超えています。トリガーを絞るか、スケジュールの間隔を広げます。公式ヘルプによると、すべてのGrok Botのルーティンで共有している上限のせいで、自分の実行が少なくてもこのエラーになることがある、という既知の問題があります(2026年10月時点)。このエラーの実行は自動では再実行されないので、Testか、Webhookの再送でやり直します
  • しばらく使わなかったら止まっていた:無人での使いすぎを防ぐため、長く使わなかったあとにルーティンを続けるか確認し、返事がなければ一時停止することがあります。戻ったら一時停止中のルーティンを確認します

利用枠が早く減るとき

ルーティンは実行のたびに利用枠を使います。まず不要なルーティンを一時停止し、スケジュールの間隔を広げ、Slackトリガーを絞ります。プランの変更や従量課金の上限を上げるのは、そのあとで十分です。実行されないルーティンは利用枠を使いませんが、Testは実際に作業するので使います。

よくある質問

Q. パソコンを閉じていても、ルーティンは動きますか?

A. 動きます。ルーティンはクラウドで動くため、ノートPCを閉じていても実行されます。ただし、自分のパソコンでコマンドを実行する作業は、そのパソコンがオンラインでないと実行できません。

Q. 日本語で頼んでも大丈夫ですか?

A. アプリの表示言語には日本語があります。この記事の例文は、公式ドキュメントの英語の例を日本語にしたものです。ルーティンを作ったら、When to runの表示で、時刻やタイムゾーンが意図どおりに保存されたかを必ず確認してください。

Q. 作ったルーティンをすぐ1回動かしたいです。

A. ルーティンを開いて Test を選びます。テストは本番と同じ作業を行い、利用枠も使うので、安全な入力で試してください。

Q. スキルとルーティンは、Botごとに作る必要がありますか?

A. スキルは自分のすべてのBotで共有されます(Botによっては有効化が必要です)。ルーティンは担当するBotが持つので、仕事を任せたいBotに頼んで作ります。

まとめ

  • スキルは「やり方」、ルーティンは「いつやるか」。1回手で頼む → スキルに保存 → ルーティン化、の順に進める
  • ルーティンを作ったら、When to run・タイムゾーン・初回の実行時刻を確認し、安全な入力でTestする(テストも本番と同じ作業をする)
  • Slackトリガーは、チャンネルとフレーズを絞る。広いトリガーは利用枠を1日で使い切ることがある
  • 送信・公開・購入・削除は承認を必須にする。ルーティンからの承認依頼は約10分で期限切れになる
  • 上限は、Botごとに50個、5分以上の間隔、1時間に全体300回・1つのルーティンで200回

今日できる最初の一歩として、毎朝やっている確認作業を1つ選び、まずはGrok Botに1回だけ手で頼んでみてください。結果に満足できたら、それをスキルとして保存するところから始めましょう。まだ契約していない人は、どのプランから始めるかを先に確認してください。

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